第八話 魔法と精霊、冒険者
更新が遅くなり申し訳ありません。
本日夜にももう一話アップしますのでよろしくお願いします。
昼食を食べ終えた修二とメルリーは2人で書物庫に戻り、魔法と精霊について調べ始めた。
ある程度該当している書物を集めると、それを読み始めた。
魔法は魔物と同じ時にシュートレラに現れた。そして、魔力は最初にある程度存在し、人毎に最大魔力保有量が存在していた。他のステータスと同じく、魔力は鍛錬することと同様にプラスして魔法を使用して魔力を使うことで徐々に上がってくることが今まで判明している。
そして、精霊スキルを所持している人はそれに更にプラスして
「精霊スキル所持者は他のスキル持ちに比べ、上り幅に差がある。特に精霊スキル所持者でかつ精霊と契約、召喚出来る人程その幅は無視できないか」
修司は数冊の書物を読むことで判明したことを纏めていた。
「はい。こればかりは統計が少ないので確かなことは言えませんが実際過去精霊スキル所持と言うことを除いてしまうと説明が出来ない上り幅とされています」
「これはスキル所持者が更に上の精霊と契約できる可能性の為にと言えますね。精霊スキル未所持の人と同じ上り幅だと、最上級や超級と契約にどれだけの月日がかかるか分かりませんからね」
「確かにそうですね。ですが、他に比べるとスキルを十分に発揮できるのがかなり厳しいですね」
「そうですね。必要なスキルが3つと最大魔力保有量が桁外れを前提としている。何で何だ?」
話を聞いている時だと気にする余裕がなかったが、改めて調べて考えてみると精霊スキル持ちの敷居が高いのと力を発揮するまでに時間がかかること等、修司は少し理不尽な気がしてきた。
と言ってもその分修司からしたら力を発揮した時が想像できる範囲を超えていた。
「こればかりは私達でも分からないとしか。ですが精霊スキルについて知る方に聞くことはできるかと」
メルリーはそう言って、自分が読んでいた本の一部分を指さし修司に見せた。
修司は自分が読んでいた本を横に置き、メルリーが持っている本を見た。
「超級精霊とは各属性の頂点を指す。そして、中には人と対話をすることが出来る精霊もいて超級精霊は全てその限りである。超級精霊は世界の理を知る存在でもある。・・・これが本当なら俺のスキルについてこれ以上のことを知るなら超級精霊と契約するのが最短かもしれませんね」
「ええ、ですが同時にこの言葉を信じるなら超級精霊と契約しないといけない。それはかなり時間がかかりますね」
「そうですね。超級精霊が契約にどんな方法を課してくるか分からない以上、ステータスのアップとそこまでに最上級までの精霊と契約していかないと」
「修司さんの契約精霊能力吸収がここで意味を持ってきますね」
「それに関しての詳細がどこにもないのが唯一の不安ですね。実際の使い方が分からないですから」
「はい。何にせよ、まずは精霊と契約することですね」
「はい。契約に関しては違う本で分かったんですけど俺のステータスじゃまだ下級でも難しいですか?」
「戦闘面だと少し厳しいかと。ステータスもそうですが他の魔法や装備と言う点においても何もないですから」
「俺が今使える魔法は光ですから、光関連の魔法について調べて使えるようになるべきですね」
精霊と契約するにあたって現状修司には何も力が無い。唯一使える可能性のある光魔法について調べていくとにした。
精霊関連とは違い、魔法は十分な量の本があり修司達は必要な情報を調べることが出来た。
魔物と精霊スキルに関して調べていたことと合わせると、魔法の精霊と違い初級、中級、上級、最上級、伝級、幻級と段階がある。伝級とは使用されたこと、魔法の内容が少しだけ記録として残されているがここ数十年使用未確認とされている。幻級は使用されたことだけが記載されていて、ここ数百年使用未確認とされている。もしこれらを使用できる者が現れた場合、それは快挙であると言える。
「伝級と幻級が使えるだけでそんなに凄いことなんですか?」
「はい、かなり昔幻級が使えた者はその後その国で貴族になったと言われています。もし、今同じようなことがあればどのような身分の人でもある程度の暮らしが約束されると思います」
「ある程度って言うのは例えば貴族より少し下とかですか?」
「そうですね。スイーレンで例えるなら、位の低い貴族であればヴィオレシス家の直ぐ下までこれるかと。冒険者や一般家庭の人であれば国家騎士になれる可能性があります」
「そこまでですか・・・ん、冒険者?」
ここに来て修司は初めて聞いた単語に反応した。
「あら、冒険者について知りませんか?」
「はい、午前中に調べていたのはこれまでの歴史で召喚された後は大雑把にしか見てませんので」
「そうですか。冒険者については現状重要とはならないはずですので、魔法について調べているのが一段落したら、調べてみるのもいいかもしれません」
「分かりました。光魔法についてはおおよそ調べることはできました。初級魔法を順番に使っていこうと思います」
「それでは、城の庭か騎士の訓練場を使ってください。訓練場だと今日は無理ですが、明日以降であれば予定を確認しますので」
「ありがとうございます」
「この後はどうされますか?」
「う~ん、ある程度調べたし光魔法をもう少し調べてからさっきの冒険者について調べたら部屋に戻ろうと思います」
「分かりました。私は先に失礼しますね」
「はい、今日はありがとうございました。おかげでかなり調べ物が捗りました」
「とんでもないです。それでは」
そう言ってメルリーは一度少し頭を下げると書物庫から出て行った。
修司は少し光魔法のことを調べた後、冒険者についての本を集め読み始めた。
冒険者は星後暦675年に初めて生まれた。それは各国の争いが休戦中の時魔物への対抗の為に国家の強化を目的に始まった。
冒険者は国家毎に冒険者登録をすることによりなることが出来る。犯罪者でない限り、学園出身や身分を考慮せずなれることから主に市民の間で冒険者になる者は多い。特に魔力があるが、学園に通うことが出来ない子供にその傾向が多い。
冒険者になると、下からG、F、E、D、C、B、Aとクラスがあり上に上がるにつれて徐々に受けることが出来る依頼の危険度が増してくる。また、国の貴族の依頼や指名依頼等も同様である。その分、報酬は格段に貰えることになる。
冒険者が出来て150年近くが経つが、50年程経った頃問題になったのは冒険者の扱いだった。
シュートレラの6つの国家間は陸続きになっておらず全てが島になっている。と言っても休戦中の間はお互い貿易を行ってもいるので船による渡航は可能となっている。だが、戦争中になれば船は他国の侵入や侵入阻止の為に使われる。また、使い手こそ少ないが時空魔法により集団テレポートにより他国に侵入もしてくる。
その他国への侵入を迎撃するために国家の冒険者は国家の為に戦うことを強いられた。だが、元々冒険者は魔物への為に始まったシステムなのにそれを国家の戦争の為に使っては本末転倒になる。そこで、国家の国王達は冒険者は魔物や自国の雑務、又は各国の同様のことに関してのみと言う法が制定された。もし、冒険者を国家間の戦争の用途に従わせた場合その国は重大な違反をしたとして裁かれることも決められている。
「今はマシになったとは言え、冒険者も結局国に振り回されているんだな」
「とは言え、後々のことを考えるなら冒険者になることもあるし・・・学園は確か2日は休みだから可能性として残しておくか」
そう言って修司は本を閉じ、出していた本を全て本棚に戻すと書物庫から出た。書物庫から出た修司はそのまま城の探索に出た。覚えているとこからと思い、中庭に戻りそこから歩いていると入口が見えたのでそこから周囲を見て回った。
食堂や大浴場を見た後も回ろうとしたがあまりの広さに諦め、自分の部屋に戻ることにした。それも当然で使用人の部屋だけでも10部屋以上あり、来賓用の部屋等も含めると数えるのも面倒になる程だった。
部屋に戻ってからは今日調べた光魔法についてまとめて明日から練習していくことを考えていた。
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