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第七話 シュートレラという星

本日は三話アップします。

書置きが無くなり、次回投稿は今週まるまる時間がかかるかもしれません。

続きを待って下さる方には申し訳ありませんがお待ちください。

本格的に学生同士の戦闘シーンになるのは学園に入学してからになります。

そちらもしばらくお待ちください。

よろしくお願いします。

スイーレンの国王、王女、女神との話し合いでスイーレン国にあるフォルノア学園への入学が決まった修司。入学までの間にシュートレラと精霊のことに関して勉強していく必要がある。

それを分かっている修司は次の日の朝、朝食を食べた後関連書物がどこにあるか探していた。


「昨日書物はあるって言ってたけどどこにあるかな?」


城は広くどこに何があるかまだ3日目では把握どころの問題ではなかった。

適当に歩いてると廊下の先に見た顔がいた。


「あ、ケイナさん」

「小田様、おはようございます。廊下でどうされました」

「おはようございます。えっと昨日聞いた書物を読みたいと思ったんですけど、場所が分からなくて」

「そうでしたか。それではご案内致します」

「あ、ありがとうございます」


そう言ってケイナは修司を連れて書物庫の方に向かった。

書物庫はさっきまでいた場所と反対側で知らなかった修司には分かるはずもなかった。

書物庫は20帖位の広さの部屋に敷き詰められた本棚があり、本棚の中には様々な書物が所狭しと並んでいた。


「こちらにある書物であればどれも読まれても構わないと、国王より言付かっています。また、傷等をつけないのであれば小田様の部屋に持ち帰って頂いても構わないとのことです」

「ご配慮頂いてありがとうございます」


修司はそう言ってケイナに軽く頭を下げた。

その行動にケイナは驚いた。


「小田様、メイドにわざわざ頭をお下げにならないで下さい」

「いえ、そんなことを言わないで下さい。僕はこの国や星の風習等を知りません。それにケイナさんは僕を拾ってくれたクォーリカル様やぜレノア様の国の人です。敬意を払うのは当たり前です」


シュートレラにおいて貴族制度があり、国族、貴族、平民、そして少なからずいる奴隷となっている。

そして、異世界人は国族と同等の扱いとなる。国族に仕えるメイドとは言え国族と同等の扱いの修司がメイドのケイナに頭を下げるのはシュートレラの常識においては考えられないことだった。


「敬意など・・・ありがとうございます。それではまた何か御用がありましたらお呼びください」


ケイナはそう言って頭を下げ書物庫を出て行った。


ケイナが出て行った後、修司はまずこの国についての書物を探し読み始めた。



修司が書物庫で書物を調べ読み始めて3時間程経ったころ、修司は一度本を置き伸びをした。


「あ~種類多すぎだろ。これ全部読むのにどれだけかかるんだよ」


修司は手当たり次第、シュートレラについて、魔法、学園、スイーレンについての本を調べ読み漁っていた。

そこで分かったのは、メルリー達から聞いた話について細かく分かった。


シュートレラは確かに20000年前に誕生はしていた。だがこれは、20000年前からの記録があるということで厳密にはそれより前からあったはずとされていた。そして、そこから約15000年後に星前暦が始まって、今から821年前に修司達より前に来た異世界の人間が日本の暦を取り入れて星後暦が始まったとなっている。星前暦が始まるまでにあったことは時系列で記録されているとは言え、日数が取り入れてない関係もあり、どのくらいの期間が開いていたかがまったく分からないと修司は結論を出した。


そして、魔物が出始めた約5000年前。

魔物は突如シュートレラ各地に一斉に出始め、人間を襲い始めた。魔物の種類も多様で修司達の地球のゲームやアニメ、ラノベで出て来る様なモンスターと呼ばれるものが多い。スライムから始まり、ゴブリン、オーク、ウルフ、ハーピィ、スパイダー、ヴァンパイア、ドラゴンと他にも空陸海に様々な魔物がいる。魔物に相手にも槍や剣といった物理攻撃は勿論通じるが、海や空、陸でも人間より大きい魔物を相手となるといくら武器があっても意味がなかった。

そして、その時シュートレラの人が目を付けたのが魔物と同時に現れた魔力だった。魔力は程度の差こそあれ魔物にもある中で、人間にも存在した。そこで、魔物に対抗するために魔法についての研究が始まった。

まず、魔法とは何か?魔法をどうすれば魔物と戦うために使えるようになるのか?

最初の数年は使い方がまったく分からなかった。

そして、魔法と魔物が現れてから10年が経った星前暦10年にシュートレラに5人の女神が現れた。

女神が現れると、人間達に魔法全般の使い方やスキルについて教え始めた。そのおかげもあり、人間達は魔法を使い魔物を今までよりも倒すことが出来るようになった。

そして、魔物との争いに一先ず均衡が取れたのが星前暦70年に入った時、シュートレラでは現在の6つの国が出来、国毎に特色が現れ今の形になった。


女神クォーリカルがいる水と樹木が溢れる国、スイーレン

女神セフィゾレスがいる商業と産業が発展した国、クージセル

女神プロモルシアがいる春夏秋冬の四季が唯一存在する国、ジョリャン

女神レンフォがいる周囲を山で囲まれ年中雪が降り続く国、ゼロナハート

女神ルーファウがいる異種族共存の国、ヴァノグノーラ

女神ジェールイカがいる常夏の国、ゾーレグランダ


その後は各国共に自国の防衛強化と魔法使いの育成と発掘に数十年を費やした。そして星前暦164年にシュートレラで数千年振りの戦争が起きた。それまでは国が無かった為、村同士等で戦争が起きていた中で初めて国同士の戦争になった。そこから戦争・休戦を繰り返し、821年前星後暦が出来た時シュートレラに初めての異世界からの人間が召喚された。


そこからは、表面上平和に学園大会と言う名で各国の優劣を付ける為の争いが行われた。

修司が読んだ書物でシュートレラに関して分かったのはここまでだった。


「とりあえず、シュートレラの大体の時系列はこれで分かったかな。・・・一旦ご飯貰って次は魔法に関して調べてみるか」


修司は立ち上がって書物庫から出て、またどこにあるか分からない食堂かそれに近い部屋を探すために歩き始めた。

数十分後、修司はまた城で迷った。


「この城広すぎだろ・・・迷った」


階段を上がったり下ったりしてもそれらしい場所は見つからなかった。そして、不運にもその道中誰にも出会わなかった。


そんな中そこからまたしばらく歩いていると、城の中庭を見つけた。中庭には花壇が多くあり、色とりどりの花が咲き誇っていた。その中に1人見知った顔が見えた。修司は中庭の方に歩いていき花を見ていた女性のすぐ側まで近づいて声をかけた。


「メルリー様」


修司が呼ぶとメルリーが振り返った。白のワンピース風の服を着ており、昨日と比べると服装で言うとぱっと見王女には見えなかった。


「修司さん、こんにちは。どうされました?」

「こんにちは。さっきまで書物庫で本を読んでいて、少し息抜きと思ったんですけど迷ってしまって」

「まだこちらに来て数日ですから仕方ないですね。これから昼食にしようと思っているのですが、修司さんもいかがですか?」

「ありがとうございます。ぜひご一緒させてください」


修司とメルリーは中庭から城の中に戻り、2人で食堂に向かった。中庭から食堂までは真っすぐ行くと見えてきた。中に入ると、数人のメイドが待機しており2人が入ると準備をし始めた。修司とメルリーは待機していたメイドが引いた椅子に座り、食事が来るのを話しながら待っていた。


「修司さん、午前での調べ物の調子はどうでしたか?」

「午前はシュートレラの歴史について調べました。今までのことは大まかに分かりました」

「そうですか。昼食後はどうされますか?」

「そうですね、魔法について特に精霊に関して調べていこうと思います。自分のこれからの為にも理解しておくべきかと思って」

「確かにそうですね。それでは私も手伝います」

「え、メルリー様も?」

「はい、午後は丁度予定が空いてますので。後、私のことはメルリーとお呼びください」

「え、いや、王女様を呼び捨てにするなんて」

「昨日もお話ししましたが、修司さんは私達貴族と扱いとして同じになります。それに私は修司さんと同い年ですし」


メルリーはそう言って修司に微笑みかけた。

修司はメルリーの言葉を聞いて驚いた。


「え、同い年ですか?」

「はい、私も修司さんと同じく4月から一緒にフォルノア学園に入学します」

「ああ、それで同い年って分かったんですね。いやでも同い年でも」

「むしろ、学園に通いだすと名前で異世界の人と言うのはすぐ他の生徒にも気づかれます。その時、私に様をつけていると国が修司さんを自分達と同じ位ではないと言っていることになります。お父様とお母様であれば、目上と言うことも含めると問題ないと思いますが、私はあくまで王女ですし同い年です。私達の為と思って敬語はあっても様は外してくれませんか?」

「・・・分かりました。お世話になる方にご迷惑をおかけするのはよくありませんね。これからはメルリーと呼ばせてもらいます」

「はい」


そこで、先程のメイドが2人の昼食を運んできた。

その後、2人は他愛もない話をしながら昼食を食べた。


引き続き面白い!続きが気になると思って下さった方はブックマーク、評価よろしくお願いします。

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