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第六話 修司のスキル

第六話になります。

もうしばらくスイーレンでの今後についてやシュートレラについての話になります。

よろしくお願いします。

「クォーリカル様問題ないって」

「学園大会でもそうでしたが、小田さんにはスキルについても詳しく話していなかった部分があります。スキルについては国王と王女が一緒の時に話すべきだと思ったからなのですが」

「昨日話していた契約精霊能力吸収も凄い能力だったと思うんですけど」

「はい、私も昨日クォーリカル様から聞きました。更に精霊召喚、精霊契約、探知もあると聞きました」

「ああ、精霊を使役する上で必須のスキルを3つ揃えていると聞いたときは耳を疑った程だ」

「国王と王女でも小田さんのスキルが3つ揃った状態は初めてなんです」

「そんなに珍しかったんですか」

「ええ、そして昨日話していなかった精霊召喚と精霊契約についてになります。と言ってもこちらは言葉のままです。精霊召喚は魔力と魔法陣を使用することで精霊を召喚できます。魔法陣の種類で精霊の強さも変わります。精霊契約は召喚した精霊と任意の方法で契約の試練が行われます。試練を合格すればその精

 霊と契約できます。ですが・・・」


 そこでクォーリカルは一度口を止めた。


「クォーリカル様?」

「・・・ですが試練を失敗すれば相応のデメリットがあります」

「デメリットですか」

「はい、と言ってもそれも精霊次第です。一回しか契約の試練が出来ない精霊もいれば、失敗した瞬間襲ってくる精霊もいます」

「襲ってくる精霊もいるんですか」

「精霊次第になりますが、契約をしたいと思わない精霊もいます。なので、失敗した者を襲うという情報が出回れば余程の実力者か無謀な者しか挑む者はいなくなります。これも精霊系スキルが使えないと言うクージセル側の考えでもあります」

「私達と言うよりシュートレラ全体でも似た様な意見が出ています」

「クォーリカル様、それだと尚更俺が問題ない理由が分からないんですけど」

「それは当然だと思います。ですが、まず精霊には下級、中級、上級、最上級、超級の五段階に分類されます。そして下級、中級はこの世界の学園の生徒でも契約が出来るレベルになります。ですが、上級以上になるとそれが難しくなります。理由の1つとして、魔力量と個人の力量では戦闘面で言えば足らないからです。ですが、小田さんのスキル契約精霊能力吸収があればそれが解決します」


 そこで修司は気づいた。自分のスキルの可能性に。


「契約した精霊の能力を吸収出来れば上位の精霊に認められる可能性が増える」

「はい、そうです。と言っても簡単な方法ではありません。中級1人と契約しても上級と契約できるとは限りません。それにそのスキルと精霊に頼り切ったことでは逆に試練をしない可能性もあります」

「俺自身が強くなる必要があるんですね」

「はい」


 修司はここまで話を聞いて可能性を感じた。クージセルで役立たずの様に捨てられた時から考えれば自分の努力次第で何とかなると思った。学園大会に出れば、竜一達とまた会える。そうすればクージセルが裏で考えていることを伝えることが出来る。

 修司は決意を固めた。


「クォーリカル様、ぜレノア様、メルリー様お願いがあります。俺をスイーレンのフォルノア学園に入学させて下さい」


 3人は修司の言葉を聞いて頷いた。


「はい、勿論です。私達からも是非お願いします」

「小田さんありがとうございます」

「修司君、礼を言うよ」


 そこで、先程のメイドが4人のカップに新しく紅茶のようなものを注いだ。

 そして、ぜレノアが一口飲むとまた話し始めた。


「そうなると、修司君には学園やこれからのことを話そうか。まず修司君には今年からフォルノア学園に入学してもらう。本来入学試験があるのだが、そこは私の力でなんとかねじ込もう。そして、学園にはこの城から通うといい」

「何から何までありがとうございます。でもこの城に住まわせてもらう形になりますけど」

「そこは気にしなくていい。この城にならシュートレラやスキルに関する書物も沢山ある。学園が始まるまでに鍛錬と合わせて知識も詰め込んだ方がいいだろう。学園が始まっても同じことだ」


 そこでふと修司は気づいた。


「学園ってもう始まってるんじゃないんですか?」


 この星が日本のような暦があるかはまだわからなかったが、学園が休みである可能性が低いと思っていた。


「ああ、学園は今でもある。だがそれは修司君が入学前の状態だ。まずシュートレラだが、時間の概念は修司君の星と同じだ。だが1年や1か月といった単位は異なる。1週間は7日だが、5週で1か月になる。そして、1年は10か月となっている。学園は3月と8月の1か月間休校になるが、それ以外はある。勿論週2日は休みとなっている。そして、今は星後暦821年の1月になる」

「星後暦821年?・・・魔物が出たのは5000年前って言ってましたよね。星自体はそれよりも前にありましたよね」


 そこでメルリーが口を開いた。


「それに関しては少々細かいことになります。修司さんの言う通り、シュートレラは文献を信じるなら約20000年前に誕生したと言われています。そこから星前暦が出来るまで、魔物が出るまでは暦や日数などは考えられていませんでした。考える必要が無かったからです。そして、今から821年前星後暦が出来る前の初めて異世界の方が来られた時に初めて今の日や月等が出始めました」

「なるほど、だからまだ暦が少ないんですね。でも当時の人は何で地球と違う周期にしたんだ?」

「何でも、30日や31日があったりするのはややこしいと思うから異世界の1年となるべく合わせてキリがいい数字にしようとしたとのことです」

「まあ、ある意味適当だけど理に適ってはいるのか」


 確かに修司達は生まれてずっとその暦で生活をしていたが、今までそうゆうことを考えてもいない人達からすれば分かりやすい方がいいのかと納得していた。


「話を戻すが今は1月で、次の入学は4月からだ。だから今から入学までに出来ることをしていって欲しい」

「はい、ありがとうございます」

「今日私の妻は不在だがまた紹介するよ。後、これから何かと関わることがあるだろうから紹介しておくよ。ケイナ」

「はい」


 ぜレノアによばれ、扉付近に待機していたメイドがぜレノアの横に来た。


「メルリー付きのメイド、ケイナ・レーベルだ」

「ケイナ・レーベルと申します。小田様これからよろしくお願いします」

「小田修司です。こちらこそよろしくお願いします」


 ケイナとの挨拶を終えた修二はこの先のことを考え始めていた。

 まずは自分のステータスを上げること。そして、精霊達と契約する。

 その為には、鍛錬と同時に精霊に関しての知識も学んでいくことも。


「(やるしかない。竜一達にまた会うために。もし戦争になったらクージセルとあの女神と戦うかもしれない)」






 クージセルの首都パレス セフィゾレスの部屋


 セフィゾレスは自分の部屋であの時のことを思い出していた。

「16人を呼んで1人は論外、15人中現段階で既に可能性があるのが5人、残りもこれから次第では使えるようになる。今回は上々ですね」


 前回と言っても、100年前になるのだがその時は10人を呼び2人以外は期待外れだった。その2人も歴代で数えれば上位20人にも入らない程度だった。だが、今回の可能性がある5人なら歴代に割り込める程だった。


「学園大会は勿論、その後の国家戦争でも優位に立てる。気を付けるべきは他国の女神にこちらの意図を話されること。それは大会の時だけ気を付ければいい」


 問題はない。起こりそうなら事前に対処するかその都度対処すればいいとセフィゾレスは考えていた。


「唯一問題があるとするなら他国に飛ばした小田修司ですか。ですがステータスは平凡どころかこちらの世界程度。・・・ステータスを見た時一瞬最大魔力保有量が人並み外れた桁に見えたような気がしましたが、?ですぐ見えなくなった。権限を使えばとも思いましたが、他に使うべき人がいる可能性を考慮して見なかったものの・・・脅威になるはずもないでしょう。召喚と契約はあってもあのスキルと魔力がなければいくら異世界人でも上級を契約できるかギリギリでしょうし」


 そういってセフィゾレスは今後のことを一旦考えるのはここまでにした。

 修司のスキルを権限で使えば未来が変わっていた可能性を考えずに。

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