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第四話 そしてスイーレンへ

第四話になります。

よろしくお願いします。

「ここまでが俺が元の世界からさっきクォーリカルさんに助けてもらうまでの話になります」


 話を聞いていたクォーリカルは一度数秒間目をつぶり黙っていた。

 そして、目を開け修司を見て話し始めた。


「同じ女神としてこのようなことになってしまったことをお詫びします」


 そう言ってクォーリカルは頭を下げた。


「いえ、クォーリカル様が頭を下げることなんてないですよ!頭を上げてください」

「そう言って頂けると幸いです。・・・本当にあの女神だけは」


 後半は修司に聞こえない声で呟いていた。


「それで小田さん、あなたはこれからどうするかご予定はありますか?」

「いえ、この星・・・シュートレラですか?まったく何も分かりませんから予定以前にどうしたらいいかなと思っています。出来るならあの自分勝手な女神と国王達に復讐したいと思いますけど」

「復讐ですか?」

「あ、復讐って言ったら大袈裟ですね。力をつけて見返してやりたいですね。あいつらがバカにしたステータスと精霊関係のスキルで」

「・・・なるほど。そういえば小田さん話の中でステータスがいくつか分からないと言っていましたね」

「え?・・・あ、そうですね。最大魔力保有量とスキルの1つが?で見えなかったです」


 そこで、クォーリカルは少し考えこんだ後、


「もしよろしければ私にも見せて頂けますか?もしかしたらその見えない部分が分かるかもしれません」

「本当ですか?ぜひよろしくお願いします。・・・あ、でもここにはあの球体はありませんよね?」

「それでしたら大丈夫ですよ。小田さんはその後の説明を受けていないので当然ですが一度ステータス公

 開水晶を使うとそれ以降は、使わなくてもステータスを見ることができます」


「え、そうなんですか?」

「はい、なのでこの場でステータスオープンと言ってもらえれば」

「はい、ステータスオープン」


 修司がステータスオープンと言うと目の前に、さっき見たのと同じステータスが現れた。


「やっぱり、さっきと同じですね」

「・・・なるほど。小田さん少し失礼しますね」


 クォーリカルはそう言うと修司のステータス画面に手を触れた。


「何を?・・・・・・!」


 クォーリカルの行動に疑問を持ったが、ステータス画面に手が触れた瞬間画面が一瞬眩しく光った。


「うっ!」


 眩しさに目を閉じ、数秒後目を開けると光が収まっただけで、同じ光景が見えていた。


「さっきのは何が?」

「ステータス画面をご覧ください」

「・・・は?」


 クォーリカルに言われたとおりに自分のステータス画面を見た瞬間思わず声が出た。

 そこにはさっきまで見れなかった物が見れるようになっていた。


 ステータス

 小田 修司 16歳

 体力:200

 魔力:1500

 筋力:35

 耐久:45

 機敏:35

 知能:70

 器用:25

 運:300

 適正魔法数:4

 最大魔力保有量:1000000

 適正魔法:光

 スキル:異世界言語 精霊召喚 精霊契約 探知 契約精霊能力吸収


「最大魔力保有量100万?・・・それに契約能力吸収って何だ?」

「それについては私から説明致します」

「これを知っているんですか?」

「はい、そして小田さんに1つお願いがあります。」

「お願いですか?」

「はい、小田さんには我が国スイーレンの学園に入学して頂き、大会で優勝して欲しいのです」

「・・・俺がですか?その役に立てないからここにいるようなもんですけど」

「いえ、そのスキルと魔力保有量を見て確信しました。小田さんなら優勝できると。精霊と共に」


 修司を見ながら話すクォーリカルの顔はとても冗談を言っているようには見えなった。


「話の続きを聞かせてください」

「ええ、まずセフィゾレスが言っていた精霊召喚と精霊契約のスキルがハズレと言うのは部分的にはその通りです。」

「部分的にですか」

「はい、その2つのスキルを最大限に使用する場合後2つ必須条件があります。そして、そのことは女神であれば全員知っています」

「え、全員ってことはクージセルの女神もですよね?だったら何で・・・」

「これはあくまで私の憶測になりますが、興味がないのでしょう」

「興味がない?」

「全ての国で異世界召喚は行われています。ですが、召喚をするには膨大な魔力と準備が必要です。そして、一番期間が短く行えるのがクージセルです。となれば、異世界の者がスキルを使った場合の効果を一番理解しているのは当然クージセルと女神セフィゾレスになります。つまりその情報から自分達で使えるスキル・使えないスキルを取捨選択していると思われます」

「女神様でもそんな風に考えることがあるんですね」

「いえ、そんなことをしているのは少なくともセフィゾレス位です。気に入らないからと言って他の場所にテレポートしたりしません」

「そうですか」


 クォーリカルの話から修司はそのままあの国に残っている竜一たちのことが心配になった。光汰は唯一ステータスを見ていたから大丈夫だと思ったが、竜一と慧丞はステータスを見ていない。あの国王と女神の言葉から修司より下であることはないが、万が一伸びがよくなかったりした時どうなるかは修司自身が経験し

 ていることもあり明白だった。


「話を戻しますが、精霊召喚と精霊契約の必須条件それは膨大な魔力とスキルの1つ契約精霊能力吸収になります」

「それって・・・」


 修司は自分の最大魔力保有量とスキルを思い出した。


「そうです。小田さんの100万の魔力と私が見れるようにしたスキルです」

「そういえば、どうしてクォーリカル様は俺の見れなかったステータスを見れるようにできたんですか?」

「それについては女神に与えられている権限の1つですね。この国、異世界人を問わず半年に1人だけ公開結晶でも分からないステータスを見れるようにすることができます」

「え、それってかなり貴重ですよね・・・」

「ええ、ですがこの権限は実際に使われることはありません。シュートレラの者で公開結晶で見れないことは今まで1人もいませんでした。結局の所異世界人にしか使うことはありませんが先程も言ったように異世界人がシュートレラに来るのは稀です」

「なるほど、それでもありがとうございます。俺のステータスを見るために使ってもらって」

「いえ、魔力とスキルがそうであると予想できていましたから。最大魔力保有量は魔術・精霊関連のスキルを持っている物であれば高いという傾向があります。そして、契約精霊能力吸収が現れるには1つの条件があります。それは精霊契約と精霊召喚のスキルを持つ者のみとなっています」

「それならクージセルの女神も・・・ああ興味がなかったんですね」

「ええ、そうゆうことです。・・・それと契約精霊能力吸収についてですが、正直このスキルを持っている人には初めて会いました」

「え、今まで1人もいなかったんですか?」

「正確に言うなら私が知る限り1人も見たことがありません。ですがスキルの内容は知っています。これは契約した精霊のステータス・スキルを得ることができます」

「・・・え?」

「そのような反応になるでしょう。小田さんの世界で精霊がどのような立場にあるかは知りませんが、こちらでは精霊と言えば女神の次に高位の存在となっています。勿論ステータスも人間とはかなり離れています」

「俺の世界では基本的にいないとされていますが、昔にはいたとされていて神のように崇めていたと聞きました。当然信じている人は今でもいると思いますが」

「なるほど、こちらと違って曖昧になっているのですね」

「はい、それで精霊の力を得ることができるですけど、本当にそんなことが?」

「はい、勿論これに関しては精霊と契約するだけでなく契約した後に能力を与えてもいいと思わせることが必要です」

「・・・いえ、それを聞けただけで十分です。俺にもまだ可能性があるってことですから」


 そこまで話してクォーリカルは一度少し笑いながら修司を見た。


「その言葉を聞けたので私も安心しました。・・・今日はこれくらいにして明日改めて話しましょうか。スイーレンの国王にも私から後で話して明日会えるようにしておきます」

「あ、ありがとうございます。えっと俺はこの後どうすれば?」

「そうですね。それでは城の空き部屋を1つ使えるようにします。明日まで誰も近づけないようにもしておきます。夕食は別途運ばせるようにしておきます」

「何から何まですいません」

「いえいえ、これからスイーレンで暮らしていくのであればこれくらいなんともありません」


 そして、クォーリカルは修司を別の部屋へ案内した。

 その部屋はクォーリカルの部屋より広くなかったが置いてある物はどれも高価であることが分かった。

 修司はその部屋で一夜を過ごした。


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