1話 ---練場道中---
身支度を整え、途中休憩用のワゴンも用意出来た。
「ドコデ、モドア、アリス。修練場へ行きますよ。」
「「「はい、ヒロ様」」」
途中の廊下で、ハルと合流した。
「おはようハル。許可してもらえて良かったな」
「おはようヒロ兄。ヒロ兄からおしえてもらったセリフ、あれですぐ、おゆるしがでたよ。」
「よかったな。でもそれで義母上が感動しすぎて、落ち着かせるのに苦労したと父上がおっしゃてたぞ。」
「うん。ボクもすこしひいた」
…
「で?御付きのその人数はなんだ?」
ハルの後ろには侍従、侍女合わせて10人ほどずら~り
「ははうえが『しんぱいだから』と、こんだけつれていくようにいってた。」
「多すぎだ。そこの二人以外は戻って下さい。義母上様には僕から後で言っておきますので。」
よくハル付きになる侍従と侍女以外を下がらせようとしたが、下がる様子はない。
そりゃそうか、主の命令は絶対だからな。
「ハルからも言ってくれ。」
「ほかのみんな。もどるように」
困惑顔だが、まだ戻る様子はないか。
よし、最後の手段だ。
ワゴンより、包みを2本取り出した。
「アリス。この『最新作のお菓子』パウンドケーキを義母上に届けてくれませんか。『僕の命で御付きを戻らせました』と伝えてください。それともう一本を義母上の侍女控室に届けてください。差し入れです。」
「かしこまりました。ヒロ様」
アリスが移動すると、みんなも移動を始める。
やはり甘味は正義だ。
そこの残った二人。残念そうな顔をしない。
「でもヒロ兄はさんにん。ボクよりひとりおおいよ。なんで?」
「本当の付き添いはアリスだけだよ。侍従二人は一緒に訓練受けてもらおうと思ってね。」
兄弟は『そんなの聞いてません』って顔をしているが、言ってなかった………かな?。
まあその…なんだ…決定事項です。




