7話 ---親子対話---
『俺』は侍従に抱き抱えられバーバラーヤと部屋を出る。
できれば侍女に抱っこでパフパフしたかったのだが『僕』の記憶にはなかったので無理だろう。
父の部屋まですぐと思っていたが、結構距離がある。
走っても一分では往復無理だぞ。
侍従はどんな裏技使って取り次いだのやら。
「お待ちしておりました。坊ちゃまのみお入りください。」
執事長はこう告げる。
「お呼びになるまで誰もお入れにならないようにとの仰せです。」
親子ガチバトルですか。
部屋に入ると、巨大な執務机に書類の山。に埋もれた父の姿。ではなく正面の応接ソファに座っていた。
「掛けなさい」
対面のソファによじ登って座る。
「父上、お願いが「まあ、待て」
……
……
……
セリフさえぎっておいて沈黙はないよ、父上。
「フィロルウェインよ。お前はどこまで現状を理解している?」
どうやら、昨日の件の結果を把握したいようだ。
「今朝から、昨日までの事が嘘のように体調が良いです。一時言葉が理解できず喋れなかったのですが、侍女に絵本の読み聞かせしてもらったおかげで再び言葉が理解でき喋れるようになりました。」
[ふむ。そうか…]
父上の口は開いていないのにそうつぶやいたように聞こえた。
何故だろう。
いや、それよりも確認だ。
「どうしてこのようになったのか、父上は知っていますね。」