6話 ---乗田訪問---
「ようこそおいで下さいました。ルーフィン公爵様。私、当宿場町ノルタの町長をしております、ルイーミ=ノルタと申します。」
「うむ、其方の事はドゥーブル卿や息子からよく聞いておる。立派な町長だとな。」
「私はただドゥーブル様の指示の元、町のために働いているだけにございます。」
「『町のために働いている』それがどんなに難しい事かわからぬ私ではない。誇っていい事だよ。」
「勿体なきお言葉にございます。」
今日はノルタの町で一泊することになる。
大人の挨拶が終わったところで、
「ノルタ町長。お世話になります。」
「フィロルウェイン様。こちらに立ち寄っていただきありがとうございます。」
「紹介します。こちらは弟のファルシオンです。ハルこちらがノルタ町長だよ。」
「ファルシオン=ルーフィンといいます。兄がお世話になっております。」
いや、挨拶としては間違っちゃいないが、貴族の挨拶じゃないぞ。
「とんでもない。フィロルウェイン様はたいへんご恩のある方。世話になっているのは私どもの方でございます。ファルシオン様。」
子供に対しても、ちゃんと貴族への対応ができるノルタ町長。さすがです。
「ヒロよ。我は紹介してくれぬのか?」
「…」
紹介すると面倒だからスルーしたかったんだが…
「えーと、こちらは僕らの遠縁にあたる『ルルーシュ』です。」
「なに?我はルー…」「ルル兄!黙って!」
なんとか誤魔化そうとしてるのにルル兄は…
「えっ『ルルーシュ』?…確か劇の主…もしや…」
ノルタ町長に気づかれちゃったじゃないですか。
仕方がない。押し通そう。
「いいですか?この方はあくまでも『ルルーシュ』です。殿下でも王子でもありません。ですから必要以上に畏まったりへりくだる必要はありません。」
そうだ、
「ルイーミ=ノルタ殿。
ルーフィン公爵家が長男フィロルウェイン=ルーフィンが、この方の扱いを一般貴族同様に扱っていただくことを希望します。また、その事により貴方に不当な罪に問われることがない事を私が保証します。よろしいかな。」
貴族の誓約は平民にとって拒否できない物であるが、貴族にとってもその内容は絶対だ。
「…わかりました。
私、ルイーミ=ノルタは、その旨了承いたしました。」
とりあえずこの件は片付いた。
「ノルタ町長。世話になります。」
「ヨルーク坊ちゃま。聞いていました通り、フィロルウェイン様と同じ部屋にベッドを用意しております。」
「ありがとう。早々に悪いんだけど、同じ部屋にルーs…ルルーシュ兄様のベッドを追加で用意してもらえないかな?」
「畏まりました。すぐに手配いたします。」
その後、僕らだけで街を散策した。
「活気のある町であるな。」
「はい。義父が『宿場町は流通の要。ここに活気がないと流通も廃れる』と申してました。」
「うむ、よい考えであるな。」
ラーヤは荷物整理に置いて来たので、買い食いなどもでき、充実した散策だった。




