5話 ---形質変化---
「おおっ!何とか立てるようになったが…おっととと!」
「ルル兄、しゅうちゅう切らしちゃあだめだよ。」
ハルはあっさり習得。ルル兄は…でもこの分だともう少しでできそうだな。
しかしヨル兄は、
「魔力が流し込めません。」
無機物へは青魔力注入は難しいか。ならば方針転換。
ヨル兄の足元に水を撒いた。
「魔力を流し込める用にはなりましたが、位置が定まりません。」
足元の水は常に動くし水の上は滑りやすい。(雨の日のグレーチング上は要注意だ。)
なのでここでの目的は操術による姿勢制御ではなく、
「水ってさらさらしてる半面くっつきやすいですよね。濡れた服なんか肌にくっついて。足の裏の水もめちゃくちゃくっつくように思い込んでください。」
ハルならこのイメージだけで出来てしまうだろうけどヨル兄はどうだろう?
「足が離れなくなりました。し、しかし…腰に来る~!」
僕らも通った道だ。
「そこは、うまく受け流すように鍛えるか、その足元を基点として操術で対応するかですよ。」
え? 僕ですか?
僕は『空歩』ができますからね。
基点をこの馬車屋根自身に設定するだけで…ではだめで、少なくとも三半規管のリンパ液まで制御しないと車酔い必至です。




