2話 ---反撃試行---
「ヒロ兄。父上のあれ、やってみる。」
「えっ? ハルはまだ、一人であそこまで飛べないだろう。」
まだハルは僕のサポート無しでの『空歩』は成功していない。
「でもあれならできそうな気がする。」
しかし『炎突』の直線移動ならファイヤーランスと操術的には変わりはしない。
「そうか。なら、初撃は僕が行くから、隙を見てやってみて」
「おっけー」
そんな僕らの相談に、律儀にも父は待っていてくれたようで、
「二人とも来ないのか?」
「僕が行きます。『空歩』」
変則軌道で空を駆け切りかかるが、
「そんな剣では私には届かぬぞ。」
簡単に弾かれる。
「そんな事は百も承知!」
何度も弾かれながらも切りかかってゆき、そしてタイミングを見て
『空蝉』
瞬間的に纏っていた魔力を赤に変えて脱ぎ捨て、下方に離脱した。、
そしてその魔力の影から、
「『炎突』!」
ハルが突進してきたのだ。
<ガキーーーン!>
その剣は父に受けられた。
視界は僕の姿に阻まれ、魔力的な目くらましもしたというのに。
あの反応速度は師匠にも迫るな。
と、それよりも鍔迫り合い(槍に鍔はないが)だとハルの分が悪い。
「ハル!戻れ」「うん!」
既に馬車上まで退避していた僕は、赤魔力道をハルまで伸ばし、ハルを戻した。




