4話 ---令嬢集団---
令嬢たちは、S席貸し切りです。
「はわわわ、すごかったですの。」
前に家族で見た劇は朗々と歌い上げるだけでつまらなかったのに、今日の劇はなんというか…まるで物語の中にいるみたいで…ただただ…すごかったですの。
「スーちゃんもそう思う?前に個室から見せてもらう劇もすごかったけど、一度一般席から見てしまうとその迫力が忘れられなくって。それ以降、こっちの席にしてもらってるの。」
「御姉様方はいつも一般席で見られているんですの?」
「いつもじゃないわよ。こうやってヒロ様が誘ってくれた時限定ね。ヒロ様いつもお誘いいただきありがとうございます。」
ヒロ様がお誘いしてるって事はヒロ様ってお姉さん好き?
「いえいえ。こうやって見ていただいた次の日には他の令嬢に自慢なさっているのでしょう。それだけで十分宣伝になっていますので。」
ではなくて宣伝のため?
「『それをわかって誘っているのであろう。おぬしも悪よのう、ヒロノヤ』」
「『いえいえ滅相もございません。タニア閣下』」
なんか小芝居が始まりました。
「ヒロ様。悪乗りしすぎですよ。」
「そうですよ。この後、市散策でしょ。早くいきましょ。」
そうなのです。この後、ヒロ様や御姉様方と街に繰り出すことになっています。
「ほ、本当にだいじょうぶでしょうか?」
街中を散策なんて初めてで不安です。
「大丈夫、大丈夫。一緒に付いてきてくれる使用人は本当は騎士様なんだし、それにルゼちゃんは姫百合騎士団員なんだよ。ヒロ様やハル様も腕は立つし。それにヒロ様やハル様に何かあったら街の皆が黙っちゃいないわよ。」
「そうそう、私たちも付いているんだし。一緒に楽しみましょう。」
「はい。」
そうですね。楽しみましょう。
「それに何かあったら『ヒロ様。責任取ってください。』って言えばいいんだから。」
なんの意味かわかりませんが、なんか楽しい事の様です。
「ハイ!」
「隠密部隊に念を押しておきます。くれぐれも『何も問題が起きないように』」
「了解しました。」




