6話 ---侍女C談---
侍女Cことガーベリィです。
『侍女C』として紹介される前に、名前が判明してしまったので今後は『ガーリィ』とお呼びください。『がーちゃん』でもいいですよ。
あまりしゃべるのが苦手で、誰かと組んでのお仕事は少なかったのです。
一緒に居ても会話が続かないので自然と一人仕事が多くなりました。
でも、『あーちゃん』が昇格してからは、『べーちゃん』とよく一緒に組ませてもらってます。
二人とも、私が何も言わなくても一緒に居てくれる良い同僚です。
フィロルウェイン様は、内心『フィーちゃん』と呼んでましたが『ヒロ』ですか?
では今度から『ひーちゃん』ですね。
バーバラーヤ様は何故か『バーバラーヤ様』としか呼べません。お仕事上『ラーヤ様』とお呼びすることになりましたが、なぜか愛称化できません。私の心が拒否してます。
バーバラーヤ様は、私たち侍女の間でも別格扱いです。
本来、上の立場である侍女長までも『バーバラーヤ様』とお呼びしているくらいですから。
私もバーバラーヤ様の教育を受けた者の一人です。
あの方は侍女、侍従みんなの先生だからでしょうね。
バーバラーヤ様は以前から『完璧侍女』だったのですが、ひーちゃんの専属になられてから感情が表に出るようになられたと思います。
そうですね。
以前は『前主の命(令)を守る』だったのが『主に尽くす』になったような…
ひーちゃんなら主として納得です。
なんてったってあの甘味。たまりませんわ。
あらあら、
私も餌付けされていましたか。こまったものです。
今日は、どっちゃんもっちゃん達の髪を梳く機会を得ました。
『恥ずかしがる行為を無理やりしてあげる』
何ともいけない感情があふれてしまいそうです。
見習いさんは、いーちゃんですか。
何ともイジリガイ…もとい、わかりやすそうな娘です事。
でも、突拍子もない事もしそうでフォローできるかしら。
あらあら、早速あーちゃんに口ふさがれてます。
ひーちゃんは、とぼけてますね。
ここは最高の職場ではないんでしょうか。
優しさと厳しさがあり、仕えるに値する主。
ただ、
ここに慣れてしまうと他ではやっていけないように感じます。
そうなったら最後まで私達の主でいてくださいね。ひーちゃん。




