3話 ---内科診察---
『僕』の体、病弱でありベッドの上で寝込んでいることが多かったのだが、今朝はすこぶる調子がいい。
なんと、ラジオ体操第一がクリアできた。
昨日までの『僕』は、ベッドから下りるだけでも大変だったのに…
第二を始めようとしたら、僕が起きたことに気づいた侍女に慌てて止められた。
まあ、以前の『僕』の状態知っていたら、とうぜんだわね。
すぐに医師が呼ばれて診察を受ける。
心音聞かれて、打診を受けて、おくちあーん と覗かれて。
ここまでは普通の内科診察である。聴診器の形が砂時計型の管ではあったが。
最後に 胸に手を当ててきて何かつぶやき始めた。
手が光り始める。
その『光』が自分の心臓に吸い込まれると全身を駆け巡る。
再び心臓に戻ってくると、手を伝って医師に回収される。
8割がた回収された時点で、手を放し、何か紙に書き込み始めた。カルテかな?
『僕』の記憶にこんな診察はなく、この医師も初めて見る顔だ。
この『光』であるが、物理現象の光ではない。オーラのように感じている。まあ、見えたからと言って
「俺の魔眼がとらえた。それはしっかり『視』えてるぜ」などと厨二病セリフを吐く気はないが。
その後、部屋を出て行ってしまった。
2割回収し忘れてますよー。
「2割」や「回収」に対する言葉が4歳児の頭に入っているわけでもなく、また 言語混乱が続いてるためで伝えようがない。
兔にも角にも言語の再習得が必要だ。