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オプティカルマジック《修正版》  作者: 愉魅夢
義母と召使達の独白
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1話 ---御付侍女---

ただの侍女です。ちょい役なんで作者が名前を付けてくれませんでした。

今回のお仕事は、ファルシオン様の付き添いです。

ただの付き添いではありません。

このたびフィロルウェイン様の部屋を訪問されるというので、その様子を報告するようにアマリアーヌ様より申し付かっています。

(なんて厄介な…)


この部屋は主が洗礼前にも関わらず専属で固められています。1名見習いが混じっているようですが。


通常、洗礼前なら親が乳母をあてがうことはあっても専属を持つことはありません。

故アルフィーニ様の意を汲んでその役をバーバラーヤ様がなされていましたが、フィロルウェイン様は自ら御当主様に申請し専属となされたそうです。

他の者も同様、フィロルウェイン様の意向によるものです。

そこからしてもフィロルウェイン様は聡明としか言いようがありません


ただ、使用人みんなを名前で呼んでいるところが、違和感がありますね。

(わたしなんか「おまえ」「おい」「…[無言]」でしか呼ばれたことがない)



フィロルウェイン様がファルシオン様に愛称で呼ぶ事を持ち掛けています。

フィロルウェイン様が聡明と言っても4歳児。子供同士の戯れはかわいいですね。



いきなりフィロルウェイン様が立ち上がりました。そしたら、侍従、侍女も勝手に動き出しました。

主の許しもなく動くなど誠に不敬です。即刻首です。

……?…寸劇?

フィロルウェイン様がファルシオン様を楽しませようとサプライズを企画していたようです。


いくら何でも貴族が役者の真似事など考えられぬこと。

フィロルウェイン様って聡明でなく変わり者?

いえいえ、そういう考え事こそ不敬です。

そんな事より今は、何があったかを記憶し報告することがお役目なのです。



ファルシオン様が駄々をこねだしました。こうなると誰にも止められません。

が、フィロルウェイン様はデザートで駄々を止めました。

やはり甘味は正義です。


昨日、『フィロルウェイン様の新しいデザート』を噂では聞きましたがこれがそうですか。


ファルシオン様が真剣になっています。あっ失敗。また失敗。<プルン>

上手くできてファルシオン様は大満足のようです。


えっ? 私もするんですか。ちゃんと見ておりましたからコツは解っております。<プルン>


えっ? 私もここで食べるの? そんな不敬なことできません。


「ファルシオン様がどのような物をお食べになったか報告の義務があるのでは?」


バーバラーヤ様に言われてしまった。お役目ばれてる?


バーバラーヤ様と共に別席で食するということでしぶしぶ納得(出来かねるのですが)

これも『お役目』です。


………!!!

なんと形容していいのやら。

この甘味、どうアマリアーヌ様に報告いたしましょう。言葉がありません。



ファルシオン様がまた駄々をこねだしました。

確かにこの甘味。

私も『侍女矜持』をほっぽり出したくなります。


今度はアマリアーヌ様のお名前を持ち出し説得を始めました。

ファルシオン様が折れたようです。

フィロルウェイン様って4歳にしてどこまで聡明なのでございましょうか。



今回の訪問で、ファルシオン様はずいぶんと、フィロルウェイン様になつかれたようです。


ファルシオン様の昼寝時間のためお開きとなりました。

驚くことが多く、疲れるお役目でしたが、あの甘味が食べられるなら、このお役目も悪くありませんね。


え?アマリアーヌ様にあの甘味を?

ひーふーみーよー…6個ある。

一つパチってもばれないよね。

え?

ダメ?

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