2話 ---異母弟承---
絵本を読んでもらっている途中。ヒロ兄の様子が変わった。
まるでそこに、騎士フリードと馬番がいるようだ。
ヒロ兄が立ち上がると、景色が変わる。そこは悪い王の城
姫と悪い王、登場
決闘と決着
ヒロ兄はヒロ兄なのに、騎士フリードに見えた。
かっこいい。
ハルもやりたい。やりたい。やりた~い。
今までなら、誰かが言うことを聞いてくれたのだけど、ヒロ兄はハルを無視した。
ヒロ兄なんて嫌いだ。と思いかけたら、
「さ~て、おいしいデザート食べよっかな~」
えっ
デザート?
なになに?
<プルン>
…
…
なに、これ~? ヒロ兄、どうやったの?
ハルもやりたい、やりたい、やりた~い。
「させてあげるから、さっき見たとおりにやってごらん。」
これは、ハルにもさせてくれた。
1かいめ。しっぱい。 「まだあるからもう一回やってごらん。」
2かいめ。しっぱい。 「おしいな~。もうちょっとだったのに。もちょっと頑張ってみよう。」
3かいめ。<プルン>
やったー。できたー。
「上手にできたじゃないか。ハル。」
みんなは、ハルが何をしても、褒めてくれるけど、さっき、ヒロ兄は、褒めてくれなかった。
いやだった。
でも、やり方を真剣に教えてくれた。励ましてくれた。
できたとき、褒めてくれた。
すごくうれしかった。




