2話 ---母娘役職---
ご子息様が洗礼を受けたのを機に、母は侍女長をやめ、ご子息様の教育係『ばあや』を務められるようになりました。
私は、母の後を継ぎ侍女長に就任しました。
母が『ばあや』の務めを終えるころ、私は侍女長を辞任しました。
長期にわたり上に居座っていても次代は育ちません。
しっかり後任に任せ、私は現場に復帰です。
決して、書類仕事がいやになったわけではないですよ。
代が変わり、そのご子息様の『ばあや』をも母は任されました。
その勤めを終えた後、永眠することになりました。
私の体の成長は、成人以降とても緩やかになりました。
胸の成長も絶望的で、かなりがっかりです。
『森人の血が混ざっているのでは』という噂もありましたが母は
「うふフフフ」
と笑ってごまかしながら墓へ入っていきました。
死の直前に渡された形見の短刀には、見たこともない文字が刻まれてました。
私のように成長の遅くなる者がたまに現れるそうです。
元を辿ると先祖に森人を持つ者のようです。
後で知った事ですが短刀の文字は森人語でしたので私もそうなのでしょう。
私のような者は、昔なら「魔女狩り」の対象だったのでしょうけど、今では「珍しい」ってだけで忌避されることはありません。
いい時代に生まれたものです。
その後、御当主様が孤児院大臣を務められた数年は、私は孤児院に出向し、孤児の指導・教育を行いました。




