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朝はいつもこんな感じ。

「たけるー、ごはん~!!」

「分かってるっての。ちょっとは大人しくしてろ駄犬が」

「あの、あたしも、なにか手伝えることって・・・・・・ありますか?」

「ありがとう。とりあえずお皿並べといてくれないか?」

「わかりました♪」


 朝は戦争だ。朝食の準備に昼食の弁当作り、寝坊助がいるからそいつを起こしに行かないととにかく目まぐるしい。

 世の子育てをしている親ってのは毎日こんな苦労をなさっているのかと思うと感心・・・・・・いや、尊敬を覚えるね。


「とりあえず準備はオッケー、と。俺、あいつ起こしにいってくるわ。あとはお願いできるかな?」

「あ、は、はい。ああ、ダメだよお姉ちゃん。つまみ食いしちゃダメぇ」


 エプロンを外して俺はリビングを出る。

 出た後で涙声で抗議している声が聞こえるが意味は無視しておこう。

 あと、つまみ食いした駄犬にはお仕置きで今日の昼食のお弁当のおかず一品(肉系)を抜いておこう。


「オーイ。起きてるか~?」


 二階に上がり、角の部屋のドアを何度かノックして声をかけるが返答はない。いつものことなので問題はないのだが。


「開けるからな?」


 一言断りをいれ、ドアを開ける。


「起きろ。朝だぞ」

「・・・・・・ん~」


 カーテンを開け、陽の光を部屋にいれると、ベッドからモゾモゾと蠢き、女の子が顔だけひょっこりと出して眠そうな声をあげる。


「朝飯の支度終わってるから。みんな揃わねぇと食えないだろ?」

「・・・・・・あたし、朝はいらない」

「ダメだ。この家に住んでる以上はルールに従え」

「・・・・・・むぅ」

「おら、早く布団から出る。出たら着替えて、洗面所で顔洗って、歯を磨いて、そしてリビングに来る」


 布団を引っ剥がし、パジャマを制服に着替えさせ、彼女を担いで洗面所で顔を洗い歯を磨く。

 その間彼女はすべて俺にされるがままである。


「なんだかんだ文句言っても結局全部やってくれるよねぇ、たけるは♪」

「優しい人ですからね」

「・・・・・・だから好き。一生養ってもらえそう」

「俺的にはごめん被りたいんだが。というか、お前も女の子なんだから着替えくらい自分でしろ。何で俺が手伝わないといけないんだよ」

「・・・・・・見られて恥ずかしくもない体型だし、本人よければ無問題」

「男の、俺が、気にするっつってんの!」


 担いだ彼女を席に座らせ俺はため息をつく。眠そうな彼女はあくびをひとつし、悪びれる様子なく


「あ、あの、そろそろ食べていかないと時間が・・・・・・」

「そうだな。それじゃみんな座って。手を合わせて」


 バタバタと全員席につき、俺は手を合わせる。彼女たちも俺に倣い手を合わせた。


「「「「いただきます」」」」


 みんなの耳はピクピクと揺れ、尻尾はバッタバッタと喜びを露にして朝御飯を食べる。


 ―――いつもの光景。いつもの日常。

 けど、つい先日までの俺、日堂武瑠(ひどうたける)にとっては非日常な生活。

 これは、そんな俺こと日堂武瑠と、彼女たちケモっ娘たちとのいつもの、たまにちょっとしたハプニングありのお話である。


「卵焼きもーらい♪」

「食ってもいいがお前、今日の昼飯白米だけな」

「そ、そんなぁぁぁっ!!」

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