第四十話 小細工無用
龍side
「俺とゲームをやると、その相手は二度と俺とゲームをしなくなる。
何故かみんな俺を滅茶苦茶だっていうんだ。酷いだろ?」
「妥当な判断だな」
「ひっでえ」
何なんだこいつ。能力は漠然と掴めてきたが、こいつの考えと人となりが掴めない。
気持ちの悪い奴だ。
「OK、お互い不正なしで行こう。でくの坊、代わりの拳銃はいらん。自前のを使う」
「ん?」
自分の手を変形させ、拳銃を作り出す。よし、中々いいじゃないか。銃を作るなんていつぶりだ?
もう長い時間銃を握って戦うなんてしなくなっちまったからな。
「……はあああ!!??」
「おいおい大声を出さないでくれよ。拳銃を作っただけじゃないか」
「え、あ、え、お、お前どんな能力だよ!!もしかして万能!?」
「万能?万能な能力など存在しない。それがあればユーカはこんなことしちゃいないだろう」
「?」
「さあ、下らない運営の話などこの勝負が終わった後でいいじゃないか。次は、お前だ。さあどうぞ」
清道side
人間をはるかに超越したバカげた力、他人を再生できる治癒能力、お次は創造ときた。
何なんだこいつは。人となりや考えは分からなくはないが、能力が全くつかめない。
「お前が用意したものだ。何か仕組まれていないかチェックする。構わないな」
「結構」
……ごく普通の拳銃だ。これが人間から生成されたとは驚くべきことだ。まず原子の種類から違うし、
生物の体から鉄や鉛ができるとは……。
(生成……生成!?)
それだ!こいつの能力は、物質を好きなように生成及び、その生成したものに限り抹消できる能力。
超高密度の筋肉を一瞬にして大量に生成し、一瞬で抹消すれば、あの大爆音を人の手で鳴らせるかもしれない。俺の耳を治療できたのは、鼓膜を生成し張り付けただけ。
銃弾をぶち込まれても生きていられたのも一瞬で頭蓋骨を超高密度にして弾いた。
たとえ多少割れても問題ない。あいつが俺にやったように骨を作って繕えばいい。
「……さて、考えるのはもう終わったか?」
「何?待ちくたびれちゃった?そいつぁあ悪かったな」
では、本日三つ目の拳銃、第一発目。本日の俺の運はどれほどか。深呼吸をして、引き金を引いた。
「……」
「……おお、良かったな」
全くそう思ってない顔で言うんじゃねえよ。手汗まみれの拳銃を相手の方へと投げた。
「よいしょっと。次は俺か」
そう言って、銃口をこちらに向けた。そう来ると思ってたぜ。すでにジ・エラーで機能を消してある。
さあ、一発でも二発でも撃って……
空気を鋭く切り裂く音が鳴った。銃声だ。銃弾が飛んでくる。頭に刺さる。
「ごおおあああああ!!!」
「ん?なぜ死なない?死なないなら銃弾を返してくれ」
冗談じゃない。能力を発動させて鉛玉を原子レベルでばらしてやったが、頭に半分めり込みやがったんだよ!お陰様で頭から血が止まらねえ!
「聞きたいのはこっちだ。何故撃てる?」
「やはり、能力を使ってきたか。能力は物を故障させる能力か?」
ゲッ、バレてる。
「無駄だ。もうそんな小細工は通用しない」




