第三十九話 vs鵺
LBside
「オーガ?」
「お前の足を吹っ飛ばした奴のことか?」
「お?│足と吹っ飛ばすをかけたの?上手いねえ」
「ふざけてんのか?」
智弘があからさまにイラっとした表情を浮かべる。これだから冗談の通じないやつは。
まぁいいだろう。
「オーガ、便宜上そう呼ばれている。奴らは人間、いや、普通の動物でさえも
とても対抗できないほどの驚異的な身体能力と規格外の治癒能力を持っている」
「……どう対抗するんだ?」
「あいつらは基本的に頭が悪い。そして、あいつは……多分僕らのことが『見えていない』」
「見えていない?」
彼女がそう疑問を口にした瞬間、見る見るうちに顔が青ざめていく。
僕が懐から取り出した2つの手榴弾を見たからだろう。
しかし、その割にこっちのおっさんは全く顔色を変えない。
「な、な、な……」
「静かに」
手榴弾をピンを抜いて10mほどのところに投げた。すると、手榴弾が光と炎をまき散らし
爆音が鳴り響いた。すると、シュルルという地を這う音がする。
そして、来た。ゾウのような黒く長い鼻。黒と白の縞模様で
顔を飾り付けている獣の顔がくっついている。トラを白黒にした見たい。
そして何より注目すべきはその手足のない蛇のような体である。そしてこれがでかい!
顔だけで僕らの身長ほどある。鼻でいえばその倍かな。体の全長?考えたくないね。
「いやぁ、動物園みたいだね」
「言っとる場合かァーー!に、逃げないと!」
識代side
ゾウとヘビとトラを混ぜくったキメラはその巨体にも拘らず、小さな通路をスイスイ進んでくる。
この化け物は壁をすり抜け、地面を潜り、曲がり角などお構いなしに突き進む。
なので、くねくね曲がっていては簡単に追いつかれてしまう。
そして何より……
「自分で走って下さい!」
「何でだよ。置いていけばいいだろ」
「嫌です!」
我儘かもしれないが、私は絶対に人を死なせたくない。たとえそれが自殺志願者だとしても。
「全く、どこまでも追ってくるね。あのキメラちゃんは!」
LBは、そう言って手に握っていた手榴弾後方に投げた。すると、先ほどとは桁違いの爆風と
熱が私たちの体を吹き飛ばす。
「うわああああああああ」
投げた手榴弾は一個だけにも拘らず、その爆音は一発では終わらない。
勢いを増し、まるでいくつもの爆弾を備え付け、それが連鎖しているようだ。
「これで、多少は先に進めるでしょ」
「言ってる場合かああああああああ!ぐえっ」
派手に着地に失敗し、顔面から落ちた。
「あらら、大丈夫?女の子が顔に怪我なんて災難だね」
「その災難起こしたのあなたでしょ……」
「その前に一つ、聞きたいんだが」
私と同じく、着地に失敗した智弘さんが足をさすりながら疑問の声を上げた。
「お前、あの逃げてる途中で爆弾を仕掛けたのか?」
「ん?まぁ、そんな感じかな……お」
彼が視線を向けた先には、巨大な鉄の扉とゲーム機が一台置かれていた。
「何でゲーム機が?……と、言ってる場合じゃないっぽいね」
リビング・ボム(本名不明)(16)♂
職業 殺し屋
概要 愛称はエルビー。赤ん坊んころ孤児院の前に捨てられ、10歳から龍・鳴橙に拾われ、
『教育』を受ける。11歳のころにlivingBombの能力を手に入れ、麻薬で狂った
イケメン(自称)殺人鬼とその扱いに手を焼くスナイパーのいる特殊暗殺班に入班。
能力 │livingBomb
触れたものを時限爆弾にかえる。触れたものが爆弾に変わる範囲は半径10㎝まで。
その場所に触れる時間によって10~1分まで変動する。より長く触れることで
殺傷能力も跳ね上がる。その爆弾に傷がついたり濡れたりすると時間が来なくても爆発する。




