第三十四話 うそつきの森
マックスside
「おお!レオン君おひさぁー」
その言葉を言い終わるか終わらないかのうちに膝蹴りが僕の腹の中に入った。対して強い蹴りではなかったが、常人が受ければ腹筋が裂傷を起こすぐらいには強いだろう。
「おい、今の状況見えるか?いや、見えないな。理解してるか?」
「僕がそんなに頭が悪く見える?」
「行動だけ見ればそう見えるね」
「ひっでー!」
しかし、彼女は彼の何なのだろうか。恋人?彼女?婚約者?
そうなったらぜぇったい僕に頭くれないよなぁ。
「ね、あの娘の首くれない?」
「寝言は寝てぬかせ」
といった後に声を潜め、
「これ以上彼女の前で変な行動は慎んでくれ。ハイパー不本意だが
あんたとも協力することになるんだから」
「んだよー、僕の方が立場上なのに。それに何か変な行動した?」
「その頭コレクション癖を押さえろっつってんの!」
「あの、心君?」
僕とばかり喋っていた嫉妬なのか、彼女が彼に声をかける。嫉妬にも拘らずイケメンの僕との会話を邪魔してしまった罪悪感からか、若干顔が曇り気味だ。全く、そんなこと気にしなくてもいいのに。
円side
彼に聞こえないよう、声を潜める。聞こえれば何をされるかわかったもんじゃない。
「あの気持ち悪い人、心君の知り合い?」
「知合いたくなかったけど、知り合い」
「お仕事何してる人なの?マチェット持ってるんだけど」
「……監査官」
監査官?ドラマなんかでよく見る、警察の内部の不正を取り締まる
ものすごく優秀な警察官のひとのことだよね。
取り締まる側というか、取り締まられる側に見えるんだけど。
『プルルルルルルルルル』
気まずい空気と暗い森を引き裂いた。全員のスマホが一斉に鳴り始めたのだ。そこには
【ホラーゲーム運営より】
皆様、暗い森の中、いかがお過ごしでしょうか。さて、挨拶もそこそこに本題に入らせていただきます。
ここは˝うそつきの森˝。ここには嘘が溢れかえっており、皆様正直者の中に一人だけ、
˝うそつき˝が居ります。そのうそつきを殺せればゲームクリアとなっております。
それでは、命ゆくまでゲームをお楽しみください。




