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ERRORsGAME  作者: あああ
第一章 反逆者たちの世界
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第二十六話 ようこそ!ディザエルチームへ

施設内では、ユーカ達は「除草剤」と呼ばれている微生物が撒かれており

能力を抑制する。故に、施設内で暴動を起こすものはいない。

すぐさま機械の群れに蹂躙されてしまうからだ。

清道side

地面がうっすらと俺たちを照らす。踏み心地など想像もできない。

誰も素足で月に降り立ったことなどないのだから。


「うわー、浮いてる!」


「どうなってんのよ……」


この世に生を受けて早十数年、初めて宙に浮いた。ここは、無重力なのか……

いや、重力はあるのだろうが、地球より圧倒的に小さいのだろう。


そうでなくとも地球ではないことだけは確かだ。

地球上どこを探しても人為的に無重力を作りだすオーバーテクノロジーもないだろうから。


というか、これは本当に無重力なのか?もし仮にそうだとするならば、

深海から引き揚げられた魚のように、内臓がげろっと……とまではいかなくとも、

耳が痛くなったりしてもいいはず。しかし、依然として体に不調はない。


もしかしたら、空気の密度を上げて海に浮かぶみたいにフワリフワリと……


(だとしても大気圧で押される感覚ぐらいあるよな……)


そんなものは全くと言っていいほどない。地球と何ら変わりないのである。

何か頭が痛くなってきた。考えても考えても答えに到達できる気がしない。


(これを考えるのはやめよう)


このこざっぱりとした空間に、一つ、浮いているものがあった。

浮いているといっても、俺たちみたいに浮いてるわけではなく、

目立っているという意味の方で。月のような床に立っているものが一つ。


人型のロボットがあった。◯ッパーみたいな、恐らくAIが搭載されているであろうロボット。

人型といっても顔は、モニターでにっこりマークが表示されている。


何とか頑張ってそこまで泳いでいくと、にっこりマークの口が動いた。


『ヨウコソ、月ノ間ヘ』


「わっ喋った」


如月が、初めて喋るおもちゃをもらった子供のような表情をした。

目をキラキラと輝かせ、驚嘆とワクワクを隠しきれていない。


(俺の弟もこのぐらい純情だったらなぁ)


『ココデハ、現在開催サレテイルゲームヲプレイシタリ、˝チーム˝ニ入団スルコトガデキマス』


ここでゲームに参加できるのか。じゃあ前回のは?強制参加だったが。

いや、多分慣れるためのチュートリアルみたいなものなのだろう。


それよりも……


「お前、˝月の間˝っつったな。他にまだあるのか?ここみたいな˝間˝が」


『ゴザイマス』


俺が無駄に含みを入れていったのに、即答してきやがった。


「じゃあ、水星の間とかもあるのかしらね」


『水星ノ間ハゴザイマス』


天音が言葉を発するとすぐに返答が返ってきた。中々に優秀なロボットだ。

他にもいろいろ聞いてみてもいいかもしれないが、

それはディザエルに聞けば大抵は教えてくれるだろう。


「なぁ、ロボット君。入団申請の仕方を説明してくれ」





ディザエルside


「よかったのか?ありのままに話しても」


「ああ。遅かれ早かれバレることだ。ならば、包み隠さず話した方が心証がよくなるというものだろう」


というか、フィリップから相手を欺くという発想が出てくることが意外だった。

根っこは善人だが、ロンの影響で歪んできているのか。元からそうだったのか。


いや、どうでもいいか。彼は彼だ。最近も人を傷つけることにはある程度なれたようだしな。


清道side

真紅の煌びやかな絨毯。職人の魂と誇りが感じられる大理石の彫刻。

手触りから分かる、ただの木材を使っているわけではないテーブル。

そして、手元にはルビーを溶かしたような極上の赤ワイン。しかし、現在俺の年齢は18。


(これ飲めないってのは、ちょっとした拷問なんじゃないの?)


一般庶民には手が出せない玉座のような椅子に腰を掛け、そんなことを考えていた。


「気に入ってもらえたかな。君を迎えるためにセットしたんだが」


テーブルの向こう側から、ディザエルの柔らかい声が流れてきた。


「自分の成金趣味を自慢しているようにしか見えねえな。しかも俺ワイン飲めないし」


「ん?酒は苦手だったのか?それは申し訳ない」


「……お前、何処出身だ?」


「イギリスだが」


イギリスか。成程、イギリスでは16歳以上から、だったはず。というか、ここは

何処の国でもないんだから何歳でもいいような気がする。


少し、赤ワインを口に流し込んでみる。


「ん、美味い」


「そうだろう。私のコレクションの中でも特別上等なものだからな」


自分のコレクションを認められたのがそんなに嬉しかったのか、輝く笑顔を浮かべた。


「さて、君の名前は成神・清道君だったな」


フィリップに渡したスマホを見たのか。それなら能力やその他諸々の情報は知られているか。

まぁ、現状は問題ないだろう。明さんにバレなければだが。


「能力はジ・エラー、機能を消す能力か。他人の能力を消したり、

 原子と原子の結合を断ち切ったり、その他色々なことができるようだな」


「何故か3時間経つと元に戻るがな」


「年齢は18歳、成績は良好。アメリカで生を受け10歳までアメリカで育っている。

 お蔭で英語は母国語のようなもの。英語はペラペラという訳か」


俺の情報をあらかた話し終えた後、


「君は、アレルギーや特殊な食事療法が何かあるか?」


「猫アレルギーがあるが、それが?」


「猫!?そ、そうか」


ディザエルが引き攣った笑顔を浮かべた。何だろう、酷い誤解が生まれたような気がする。


「今度、今回入団して頂いた皆と食事をしようと思うんだ。来てくれるな」


拒否権は、無さそうだな。有っても行くが。


「ああ、行かせていただこうか」


「コックには猫料理は出さないように言っておくよ。元より出すつもりなんてなかったが……」


……そっかぁ、そう意味で取っちゃったかぁ。誤解は解くべきかな?解かないといけないかな。

何故かはよくわからないが、この優男とは楽しい会話ができる気がしない。


イケメンと金持ちと天才とは今まで楽しい会話ができたことがない。こいつは

少なくともイケメンと金持ちの二つは併せ持っている。頭はよくなさそうだが。


「そうそう、君たちには教育係が付くことになっている。ここの案内をさせるつもりだ」


「案内ね。明さんにやってもらえばいいと思うが」

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