第二十三話 覇王
ジョセフside
目の前にあるのは、ゴミ、garbage、そしてtrash。
部屋全体にゴミと異臭が散乱している。
足の踏み場もないとは正にこの事を言うのだろう。
その中にちらほらカセット、ゲーム機、スマホなどが転がっている。
そのごみの奥にぼんやりとネズミも逃げ出すようなこの部屋を照らす
TVが、一台。置かれていた。
ゲームの途中だったようだ。
まぁ今はそんなことはいい。問題は、こっちのゲームのクリアだ。
窓は……開かない。まぁそうだ。ホラーアドベンチャーは大抵こういう所から
逃げ出せないようになっている。
(じゃあこれはどうだ!)
テレビのコードを引き抜き、窓ガラスに、叩きつける!絶対にゲーム主人公はやらない行動だ。
さすがにこれは想定していないだろう。ガラスが粉々に砕け散り、窓の外に飛び出した。
「わっ」
窓ガラスの破片が、窓の外から飛んでくる。刺さるほどではないが、やっぱり痛い。
窓の外には、暗闇がどこまでも広がっておりまるでこの窓の外は……
「宇宙……」
いや、そんなはずない。宇宙なら窓ガラスが跳ね返ってくるはずがない。
「どうなんだよ、ユーカ」
胸ポケットのスマホがぼんやりと光りだす。俺はそれを取り出し、
゛彼女˝に意見を求めた。
「知らないわよ、っつーかこんなキショイ部屋でいつまでも下らねーことやってんじゃねえわよ。
早く部屋出てゲーム参加しろっつってんのが聞こえないのかしら」
「わ、わかったよ」
「ほんとに大丈夫なんでしょうね。プロゲーマー『覇王』とかキショイハンドルネーム付けてるけど」
「キショクないだろそれ!」
「キショイのよ。あんたはすべてがキショイの」
なんでこんな奴が案内人なんだろうと、つくづくそう思いながら、部屋の扉に手をかけた。




