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ERRORsGAME  作者: あああ
チュートリアル ゲーム開始
22/39

第二十一話 幹部の実力

清道side


「よし、天音。車だ車。とっととここからずらかるぜ」


天音は手の形にしていたガムを透明な床に下ろし車の形を形作る。


「……俺のことはいいのか?」


「別に。ここにいれば俺たちも危険だしな。俺たちの目的は戦うことじゃない」


「……」


顔に怒りが生まれる。お情けで逃がされたことに腹が立っているのだろう。


「逃がすかよ。こっちは相棒ぶっ飛ばされて怒り心頭なんだよ」


「あっそ。勝手にすれば。出せ」


ガムで作られたピンク色のガムに乗り込んだ。ほのかにイチゴのにおいがする。

車は桃色のタイヤを転がし、発進しようとした。


「?どうした?なぜ発進しない?」


「言ってんだろ。逃がさねえってよ!」


タイヤが凍っている。いや、タイヤどころか車全体が凍りつき始めている。


(あのカラスの能力か。めんどくせえな)


車からすぐに下りる。カラスは頭を羽の中に丸め、


「手は貸さねえからな」


「いいよ。逃がさなければな」


(逃がしちゃくれねえか)


「天音」


ガムを口に放り込み、膨らませる。そして手の形を作り、それに叩き込んだ。

まともに食らえば死亡とまではいかなくとも、確実に気絶するだろう。


「!」


手で受け止めていた。プロボクサー並みのスピードのパンチを、見るからに衰弱した

少女が片手で受け取めていた。


それだけではない。直接触れられていない天音の顔が、干し柿のようにやつれ、干からびている。

それとは反対に、彼女の顔は、水を得た魚のように生き生きとして、肌には艶を帯びている。


(まさかこいつ、あのガムをストローみてーにして、あいつの˝何か˝を吸い取ってんのか?)


「チッ、そのガムを吐き出せ」


天音はその巨大なガムをペッと吐き捨てた。ガムをストローにするというのなら、

そのストローがなければ意味がない。


「あ?」


手が干からびている。天音の手ではなく自分の手が。


「無駄なんだよ。んなことしても。てめえらは干し柿になってここで野垂れ死ぬんだよ」



……なるほど、空気をストロー代わりにしてすすってんのか


これなら手で接触する必要ないだろ。確かに接触されるよりは遅いが。


「まぁいいだろう。撃て」


「撃て?いったい何を撃てって……ぶえ!?」


彼女は大きくのけぞった。それはそうだろう。鉄並みの硬度のガムが弾丸並みのスピードで

額にめり込んだんだから。

正確には、前に出していた手のひらを貫通してだが。


断末魔を上げる間もなく死……


いや「ぶえ!?」っつってたな


「?」


倒れない。いや、それどころか頭を再び持ち上げている。

頭からは多量の血が流れだしてはいるが、死んではいない。


「痛ええ。クソが……手にまで穴が……開いてんじゃねえか」


カラン。と血まみれの硬質化した弾丸が透明な床に落ちた。


(固定してるわけじゃないのね)


「お前、なんで死なねえんだよ」


「教えるかよ……バーカ」


まぁ答えが聞きたいってわけじゃないんだけど。脳にダメージを受けて致命傷だし、

もう一発ぶち込めば……


「おい、俺死ぬぞ……フィリップ」


「誰に言って……」


瞬間、天音の肩が床を赤く染めながらボトリと落ちた。透明な床が赤色の床に変わり、

あと数歩後ろに下がれば足を踏み外すということを知った。


だが、またわからなくなってしまった。何故かって?簡単だ。

その血が集結して刃物を形作り、俺を切り裂いたから……


まさか……天音の体内に能力を適用した血を……


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