十五話 GAMEOVER
識代Side
「ぐええええええ!」
「やめて下さい!彼は助けてくれたんですよ!」
彼のクビを、智弘さんはなお一層締め付ける。自殺を邪魔されたのがそんなに
腹立たしいのか。
「死ぬ!死んじゃうから放して!」
「さっき言ったろ、助けたら殺すと。破ったのは君だ」
ピーンポーンパーンポーン
「今回のゲームの脱出人数は…むむ、少ないわね。ま、いっか。代わりなら掃いて捨てる
程いるからね。」
どこからか、またあの声が聞こえてきた。
ピンポンッ!
「キャッ!?」
自分のポケットから、得体のしれない音が鳴った。
「スマホの通知音だな」
「な、何だ。ビックリした」
(あれ、これ私のスマホじゃない)
送られてきたのは、一通のメール。
―――――宝探しゲームCLEAR――――
久根村・円様
氏神・裕斗様
天ノ川・千恵様
レオンハート・ユリゲラ様
エリザベータ・ベリンスキー様
マックス・バートレット様
この度はゲームをプレイして頂き、誠にありがとうございます
またのプレイを、お待ちしております。
「円ちゃん、出れたんだ」
「‥‥‥、心は置いてかれたのか?」
「?…‥?」
ジョセフさんは、何も分からないという顔をしている。それもそうだろう。会ったことがないのだから。
―――いや、それより、
「心くん!きっと何かの都合で出られなかったんだ。迎えに行かないと」
「…‥ちょっと待て」
智弘さんが、駆け出した私の手を掴む。
「もしかすると、出られる人数には限りがあるんじゃないか?」
「え?」
「だから、心は出られなかった。そして俺たちも、出られない」
「え!?出られないの!?」
ようやく、少し話が飲み込めたようなジョセフさんが話に割って入った。
そのとき、全員のスマホに一人の女の子が映し出された。
玉虫色の髪を持ち、同性の私でもうっとりする美貌を、無邪気にこちらに向けていた。
「今回は、残念ー!クリアした方が出たので、皆様はゲームオーバーとなりました。
それじゃあまたね。頑張ってね」
それだけ言うと、消えてしまった。
「結局、何だったんだ?」
「‥‥さぁ?」
その時、一瞬の浮遊感を覚えた。
ちなみに
ジョセフと彼女らがちゃんと喋れているのは、耳に設置されている翻訳機のため