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紅華~紅ノ華、赤ノ上二咲キテ~  作者: Riviy
第七陣 真実の華
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第九十一話 崩壊の前触れ



「この状況に困惑しているのは、よく分かる。主殿は『アルカイド』を拠点とする『勇使』の力を借り、人々の避難を行っていた。だがその最中、襲撃が来た。襲撃と戦闘によって都は崩壊寸前になってしまったが…命には変えられないしまぁいい。ちなみに、人々は無事だ。死亡者はいない」

「………誰が襲撃を?」

「………主殿のもとへ連れて行った時、主殿の口から聞くと良い。これは、()()()()()


人物の口から語られた事実は多少しかない。けれど、それだけでも事実は垣間見えた。とりあえず、帝や人々が無事と云うことにホッと一安心だ。しかし、死亡者はいないと云うことは負傷者はいると云う事だろう。襲撃した敵はなにを狙っていたのだろうか、はたまた襲撃は表面上の名目で目的は違うのか。全ては人物が主殿と慕う帝に聞かなければならない。


「あ、ボクたちも報告があって!『隻眼の双璧』の事も含めて、帝に伝言を預かってるの!」

「そうなのか。()()話は早い。主殿達が身を潜めているところへ移動しよう」


雛丸がハイッと手を挙げて主張すると人物は少し驚いたように目を見開き、言った。その時、薙は少し違和感を感じた。それは白桜も同じだったらしく、微かに顔をしかめている。二人の表情に紅葉もなにやら読み取ったらしく、代表と云うように自分の疑問を素直に口にした。


「君はなんで此処にいたの?」


紅葉に問いかけに人物はおや、と少し驚いたように目を見張った。そこには少し、感心した、と云うような称賛も混じっていた。人物は紅葉達を一人一人ゆっくりと観察した。そして、うん、と何かに納得したのか頷いた。紅葉と雛丸が首を傾げていたが無視する。


()()だ」

「誰の?なんて、野暮な質問か?」


えっ、と薙のしてやったりと云うような声色に紅葉と雛丸の声が重なった。


「さっきお主は"なら話は早い"と言ったな。迎えもしかり、妾達が来るのを知っていたんじゃないか?今思えば『隻眼の双璧』の情報があの時来たのは偶然にもほどがある。まるで狙ってそこに来たかのようだった」

「全てお見通しだったように見受けられますが、どうでしょう?これはわたくし達の勘違いでしょうか?」


薙と白桜の説明に首を傾げていた紅葉と雛丸はなるほど…と云うよりもいまだに少し納得がいっていなかった。だが確かに「迎えに来た」と云うのはいささかタイミングが良すぎる。紅葉達が『アルカイド』へ来る事は直前になっても、いや、恐らく知らなかったはずだ。音信不通の『隻眼の双璧』の『勇使』の情報もよくよく考えれば、タイミングが良すぎる。薙と雛丸が捕まっている最中に来てもよかったはずだ。まぁ実際は来ない方が良い選択だったのだが、それにしても、タイミングが良い。考えれば考えるほど、それは違和感と云う熱を帯びてくる。真剣な、少し疑うような眼差しを受け、人物が喉の奥から絞り出すように笑った。


「ご名答、いや、ご明察通りと云えば良いか…主殿は来るのを知っていた。その理由を知りたければ、一緒に行こう」


紅葉達に向かって手を差し出す人物。全て、帝はお見通しだったのか。何処から何処まで?恐らく『隻眼の双璧』辺りだろうが、さすがとしか言いようがない。こちらに向かって手を差し出す人物のその姿は再び逆光になって、神々しく見える。だが、その神々しさは、この手を取り、()()()()()()()()()()()()()()、と言っているようにも見えて、ブルッと震えた。嗚呼、これは武者震いだ。自分達の任は「異変の原因の解明」と「音信不通となった『勇使』の痕跡を見つける事」だ。その真実を貪欲に追い求めずにどうする?


「萊光、僕達はね、知りたがりなんだよ」


にっこりと笑いながら、紅葉が言った。笑いつつも真剣な表情を、意思を秘めた彼らに人物は頷いた。彼らの答えは、取る(行く)。そうして人物の、彼の、萊光の手を取った。取られた手に萊光は知っていた、と言わんばかりに満足そうに頷いた。


人物、萊光らいこうはミントグリーンのセミロングにライムライト色の瞳。口元から首元を広く覆う布、と云うよりは長めのスカーフをし、そのスカーフで口元を隠しているースカーフよりもマフラーか?ー。両の爪に黄色のネイルをし、スカーフの隙間からはチェーンに通した指輪が見え隠れしている。服は薄い緑のコート、ワイシャツのボタンを二個開けている。ダメージジーンズに靴はニーハイブーツでズボンの裾を入れている。


「敵がやってくる前に移動しよう。こっちだ」


スルッと紅葉の手から手を引き抜き、ある一点を指差す。その方向は紅葉達の予想通りの方向だった。『アルカイド』を襲撃した敵がまたやってくる可能性も踏まえて、いるのは城ではない。


「少し歩くけど良いよな?」


ほぼ肯定的に言われたその方向は、萊光がやって来た瓦礫の山の向こう側だった。


……あれれ~いつの間にか百になってしまうだとぉ?(震え声)

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