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紅華~紅ノ華、赤ノ上二咲キテ~  作者: Riviy
終陣 その手
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第百二十八話 この手




久しぶりに一人で出掛けた。そうしたら、いつもの場所で()()()に出会った。嗚呼、()()()なんて嘘だよね。知ってるもん。()も言ってた。「大好きなお兄ちゃんに会えた」って。母さんと父さんは、近所の子だろうって笑っていたけれど、違うんだよ。近所の子にそんな子、いないんだから。「ねぇー」って、顔を見合わせて笑った時、自分でもなんでそうしたのか分からなかったけれど、今はきっと分かる。


嗚呼、そんな泣きそうな顔をしないで。泣かないで笑って。笑顔にするのが君の役割で……あれ、なんでこんなこと思ってるんだろう?知ってるんだろう?変なの。長いお話しは、大好きだよ。母さんも父さんもいつも寝る前に長い物語をお話ししてくれる。遠い遠い昔、大切な人を失い、悲しみにくれ、世界を滅ぼそうとまで願ってしまった人と、その人を命懸けで止めた四人のお話し。あれ、大好きだから、夜更かししてでも聞き入っちゃう。妹も一緒に、全部聞くの。


あれ?なんだが、似ている?それに、()()()()()()()()()()()なんて、嘘だもん。そのお話しが、大切な人との思い出話なのは、その人がとっても大切な存在だったからなんだよね。まるでお花が咲くようなその、温かくも優しい笑顔、好きだよ。まるで、()()()()()()()()みたいに懐かしい……()()()?あれ?でも、心…っていうか魂?よくわかんないけど、嬉しいのは分かるの。なんでかな?本当に不思議。


知らない、なんて言ってごめんね。でも、嗚呼、きっと。違う存在だけど、妹のように私達姉妹は、私達の両親は……

今さら気づいた。きっと、()()()()()はーーーー


ねぇ、最初は、初めてからだったよね。そのお話しが終わったら、その涙を拭って、こう言おう。


「はじめまして、()()()()だね。元気?」










The End


これにて『紅華~紅ノ華、赤ノ上二咲キテ~』、略して『紅華』完結です!此処まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。少しでも楽しんでいただけたならば、作者として嬉しい限りです。


ちょっと小話でも。今回、「こんなキャラクター出したいなー」と云うのが前回よりも多かったような気がします。というよりもこの頃、作品出すと話数多いですね!?自分でも驚いているんですよ!「なんかめっちゃ書いてた!」て。まぁ楽しかったんで良しとする。

はてさて、最期のこのお話は一番最初のお話と同じ題名で、そのお話の語り手は……どうなるかはご想像におまかせします。幸せになると良いですね、みんな。


何度も言うようですが、読んでくださり、ありがとうございました。感謝感激であります(深いお辞儀)。此処で宣伝するのもなんですが、多分近いうちに次回作出ます(理由はいつもの通りです)。あと、他の物語もどうぞよろしくお願いいたします!誰とは言いませんけどあの子がね!誰とは言いませんけど!←


……あれ、いつもより長い?まぁ良いでしょう!

それでは、また何処かでお会いしましょう。See you!

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