ラストオーダー
君と
まだ帰りたくない夜のドライブ
さして都会でもない街のファストフードで
啜る苺のシェイク
摘まむねじれたポテト
かさばらない会話のひとつふたつ
傷だらけのテーブル
レトロなボックスシート
だらけた姿勢でもたれて
窓の外の貼り付いたような夜を
いつも持て余してた
上がらないテンション
くすぶってる熱
行き場のない焦燥
ラストオーダーにふたり首を振るのは
意地なんかじゃなく
ただ途方に暮れているだけ
重たいシェイクを吸い上げて
薄暗い蛍光灯はほほ笑んで
君は指先についた塩を舐め
ぐるりと世界を見回した
気だるさを背負ったところで
選んだのは逃避行ばかりで
たるんだ時間を
数字のくっきりとした時計は刻んで
なんとなくの罪悪感と一緒に
突き進む
どこにもない場所はどこにもないって
知ってる
ヤな音立てて飲み干したシェイク
紙ナプキンで拭き取られてく指先
駄々ばかりこねてる午前1時
目を覚ましてることが
唯一の抵抗で
口直しのコーヒーも
頼めやしないからふたりして
今日ものみ込む
「間に合いますか?」