第1話 「転生」
あらすじまで話がいってないのはおかしいので、今回は早めに投稿。
気が付くと男は、真っ白な空間にいた。何もない、白だけの世界。そんな風にしか説明ができない空間に、男は佇んでいたのである。気が付いた瞬間は、少し混乱していてたが、ここが死後の世界であると、男はなんとなく理解していた。
あぁ、そうか俺はしんだのか
自分の死に対してあまり実感がわいてないのか、少し首をかしげながらそんなことを思っていると、ちょっとした疑問が浮かんだ。
いえば俺は天国にいけるのか? 一応犯罪に関しては冤罪だし、悪いことはしてないと思うんだけど・・・うおっ!
そんな死後ならではの疑問を考えいると、目の前に一際輝く光が出現した。あまりの眩しさに顔をそらして目をつむる。少しすると光の強さが弱くなったのか、だんだんと目をあけてその光を見ることができた。
最初は目の前いっぱいに広がっていた光はどんどん縮小していき、最終的には5~6歳くらいの子供の姿になった。子供の姿といっても外側を光でかたどっているだけなので、髪などはなく、顔ものっぺら坊みたいになっている。正直きもちわるいなと思っていると、
「気持ち悪いなんてひどいなぁ、これでも僕は神様なんだよ?」
そんな声が耳からでは無く、頭の中に直接響く。いままで感じた事の無い経験に少し顔をしかめる男。しゃべっていないのに、気持ち悪いと思ったことが分かっているところをみると、この自称神様は男の心が読めるようである。
心を読むなんて、たちが悪いな神様よ
「そうでもしないと会話ができないんだよ。君は気づいてないけど、ここではしゃべれないからね。」
そういわれて男は声を出そうとしてみるが、神様の言うとおりに声が出ない。
「ほらね。だから、君の思ったことを読み取って会話をするしかないってこと。おわかり?」
どことなく馬鹿にしたように言う神。イラつく。
「神様にイラつくなんてバチ当たりなやつだなぁ。まあいいや、早速本題に入るけど、異世界で生活してみたいとか思わない?」
と、そんなことを淡々と言われた。いきなり出てきた「異世界」という単語に意味が分からなくなる。
異世界?なんじゃそりゃ?俺を天国か地獄に連れていくために、でてきたんじゃないのか?
「普通はねそんなことをすると思うけど、君は少し事情が違うじゃない?正直僕としても君を助けてあげられなかったのは、少し申し訳なく思っているんだよね。」
そうか、一応神様と言うからには俺が無罪だってのは知ってるのか。
「もちろん知ってるよ。ただ神様ってのも中々大変でさ、そんなに簡単に人に関与していいものじゃないんだよ。」
目の前の子供が、やれやれという感じに肩を落としている。
「それであまりに可哀想だったからさ、第二の人生を進めてあげてるってわけよ。」
それでなんで異世界なんだ?
「だって前いた世界じゃ面白くないでしょ?どうせなら違う世界にしてあげようっていう神様的優しさ
なのよ。」
目の前の子供が次は手を腰に当て、えっへんというようなポーズをとっている。さっきから思っていたが、この神様人間くさすぎるな。
そもそも異世界ってのはなんなんだ?俺が生きていた世界と全く違うのか?
「君の前いた世界とは、全くの別物だよ。簡単に説明すると、ゲームのような世界なんだ。魔法があり魔物がいて、魔王がいる。そんなファンタジーな世界が、異世界なんだ。」
そんな説明を聞いて男は、ある世界的有名なゲームを思い浮かべる。スライムなどがでてくるあのゲームだ。そんな世界が、ほんとにあるとしたら、少しワクワクする。
「お、意外に乗り気じゃない?そんだけワクワクしてくれるなら、僕も神様冥利に尽きるってもんだよ。」
いつの間にか子供の顔に口のような線があり、どことなく笑っているようにみえる。
「それじゃ、早速君を異世界にとばすね。」
突然そんなことを言い出す神。男はそれを聞いて、慌てふためく。
まてまて、俺は何も許可はだしてn
「はーいじゃいくよ、3、2、1、」
待てって言ってるだろ!
抵抗もむなしく男の目の前が再び、強い光に包まれる。
「まぁ色々大変だと思うけど、頑張ってねぇ~」
そんな無責任な言葉が聞こえたかと思うと、急に男の目の前が真っ暗になった。
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ふと気が付くと先ほどの真っ白な空間はなく、目の前にはとても日本人とは思えない顔だちの男が、こちらをのぞき込んでいた。どうやら男は仰向けの状態らしい。
軽く状況を判断すると、のぞき込んでいる男の顔を観察する。髪はきれいな金髪をしており、目は深い青色をしている。顔は彫りが深く、とても整っていた。年は30代後半といったところか。第一印象としては、とてもイケメンの外人さんである。
その外人と目が合う。すると外人はとてもうれしそうに笑って俺の体を抱きかかえようと近づく。
おいまて、俺は男になんて興味はないんだ!とゆうか俺の伸長は、180㎝以上あるんだぞ!抱きかかえれるわけ・・・
男の思考はそこで止まった。なぜならびっくりするほどあっさりと、抱きかかえられたからである。どんだけ力持ちなんだこの外人!なんて思いながら自分の体を見て、初めて気が付いた。そこには180㎝以上もある体なんてのは存在していなかったのだ。そこにあるのはとても小さな体。すぐにでも壊れてしまいそうな、その繊細かつ小さな体を見て男はやっと気が付く。
自分が赤ん坊になっているのであると。
外人は、男(赤ん坊)の父親なのだろうか、とてもニコニコと嬉しそうな顔をしながら男(赤ん坊)に話しかけている。その言葉は当たり前だが日本語ではないし、英語のようにも聞こえない、初めて聞く言葉だった。もちろん何を話しているのかなんて分かるはずもなかった。
男(赤ん坊)は自称神が言っていた「異世界」という言葉を思いながら、すべてを察とり、そして諦めたかのような冷ややかな目を抱きかかえている父親に向けながらこう言った。
「あう、あううあ」
と。これが、異世界に転生した男の最初の言葉となった。
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男が異世界に転生して、半年ほど経過した。
このころになると、両親が一生懸命に話しかけてくれたり、絵本のようなものを読み聞かせてくれたおかげか、話すことはできなくても意味を理解することはできるようになってきた。転生前の世界では、全くと言っていいほど外国の言葉は覚えることができなかったのに、半月もの短い期間で意味を理解できたということは、やはり子供の頭ってのは物覚えがいいらしい。意味を理解することができるようなると、自分の名前や両親について知ることができた。
男につけられた名前は、ロイ。フルネームで、ロイ・クラウス。このクラウス家の長男にあたる。このような名前になれていないので、キラキラネームをつけられたようでとても複雑な気持ちである。
続いて両親について語ろう。
母親の名前はエリシィ・クラウス。髪は明るめのブラウンで、とても長くさらさらとしている。少し丸顔で、目がたれ目で少し眠そうに見えるが、全体的にみると整った顔をしておりとても美人だ。性格は、とてもおっとりとしており、ロイを抱きかかえるときは優しく温かい顔をしている。とてもいい母親だ。魔法が使えるらしくケガをした時に治癒魔法をかけてくれたことがあった。なぜケガしたのかというとハイハイができた嬉しさで調子に乗って、少し高めの位置にある窓から外をみようとしたら落ちてしまったのだ。そんなに高さもなかったので頭にたんこぶができたぐらいかなぁとおもっていたら、音を聞きつけたエリシィがとても焦った顔をして駆けつけてロイの頭にてを当てて詠唱を始めた、
「神のお力は我糧とならん、その力をもってしてこの者の癒されよ『ヒーリング』」
と。すぐさま頭の痛みは消えた。それに驚いた顔していたロイにエリシィは抱きしめながら、あんなところに登ってはダメと叱った。いつも眠そうな顔が、キリッとしていたのでロイは素直に言うことを聞くことにした。それからというものエリシィは、片時もロイから目を離さないように心がけていた。すこし過保護な気もするが、初めて親になった母親はこういうものだろうとロイは思い、あまりエリシィを心配かけぬようにしていた。
転生してきたばっかの時にロイを抱きかかえたのが父親で、名前はナフレ・クラウス。伸長が高く、体つきはとても筋肉質、結婚する前の職業が、ある王様の軍の兵隊でそこそこ上の地位まで出世したらしい。エリシィと結婚してからは、軍をやめて平和な田舎町で剣の道場を開いている。この世界でも父親が剣道の先生とは、つくづく剣に縁があるなとロイは笑っていた。さらには週に一回、剣を教えている生徒達と一緒に近くの森で魔物がいないかを見回っているらしい。
性格は、とてもストイックでいつも剣の稽古をしている。また生徒に教える際にもストイックに教えている。と、聞くといいように聞こえるが、実際はかなりのスパルタだ。道場から出てくる生徒達は、皆死にそうなぐらい疲れた顔をしているので間違いない。それでも数多くの生徒がいるところから、かなり信頼はされているのだろう。町の人からもとても頼りにされていると、エリシィから聞いたことがある。
次に住んでいる町についてだが、先ほども説明したが田舎町である。大きな家なんてのは、1つだけ。基本皆一階建ての家である。んでその1つってのがクラウス家なのだ。ナルフが元々軍人であったためお金はあったし、町を守ってくれる人なので町からも少なからずお金をもらっている。道場の収入もとても安定しているみたいなので、金持ちなのだ。どうやらロイはいいところに転生したようである。
ちなみにこの世界についてのことは詳しくわかってはいない。まだ赤ん坊だってのもあり、両親はあまり詳しくは教えてくれていない。今後はこの世界の情報も手に入れないとだな。
自称神に半ば無理やりに、転生させられたとはいえワクワクは止まらなかった。前の世界では剣の道を極めたとは言われていたが、実践的な経験は皆無である。なんせ戦争などはなく人を切ったりはしたことはないのだ。別に人を切りたいというわけではない。ただ自分がどんだけ力があるのかは、試したかったのだ。幸いこの世界には魔物で試すことができる。運動ができるようになったら、すぐにでも剣をナフレに教えてもらおうと心に刻んだ。
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その日、ロイは夢を見た。それはロイがロイである前の姿の夢、要するに転生前の死刑囚の男の姿の夢。どうやらベットの上に寝かされているらしい。そしてその周りを白衣を着た男たちが囲んでいる。頭が固定されているのか、顔を動かして周りをよく見ることができない。目だけを動かしていると、白衣の男たちの内1人と目が会った。白衣の男は、不気味な笑顔を男に向けたあと、男に話かけようと口を開いた。そこで夢は唐突に終わりを告げた。
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次の話は、一週間以内に投稿します。




