13年前の記憶
13年前とあるスキー場にて四国高知からわざわざ雪国のスキー場に母と姉と供に来た一人の少年が雪が舞っている中でスキー場の立ち入り禁止地帯は入って迷子になっていた。その少年はスキー板を外し脇に、はせめながら歩いていた。
辺り一面は雪に積もった木々だらけであった。歩いても歩いても変わらない風景、太陽の日の光が暗くなってきていた。少年はなんとしてもスキー場に通じる道に出なければならないと思っていたがただ進展もなく時間が刻々と過ぎて行くだけであった。
「……誰でもええから助けてなぁ。」→少年
少年はポツリと弱音を吐いて目頭には涙が浮かんでいた。四国出身の少年にとっては雪国は初めてながら遭難をしていて慣れない気候に体力と精神的に段々と衰弱になっていた。
その時風雪が吹いた。少年が歩くのを止める程の風雪が吹くとその途端に先程まで降っていた雪が止んだ。
「?……ありゃ?」→少年
止まっていた少年はあることに気付いた。それは少年の前に青みがかった白く透き通るような綺麗な髪をま腰で伸ばして20代の女性が少年の目の前に立っていた。外見がそれは美しく整った容姿に淡く青い瞳そしてまるで雪のように白く滑らかな肌が特徴的な美女であった。
少年は一瞬、大人の女性だ!!これで助かった!!と思っていたがあることに気付いた。
それはこんな真冬の山なのになぜ白の着物を着ている?と少年は思った。
少年は実家にある著名人が描いた全国妖怪図鑑を思い出してその中にある妖怪の事を思い出した。
雪国+美しい美女+着物+雪山=雪女
とヘンテコリンな計算で思い出した少年はその瞬間急に恐ろしくなった。体がガタガタ震え目から涙が出てきて9歳なのに小便を漏らしそうであった。
「……こんにちわ。」→着物を着た美女
美女が美しい微笑みを少年向けた途端に少年の方に近づいて来た。少年は
“殺されるぜよ!!逃げなければ!!”
と思ったが少年は身動きが出来なかった。美女はとうとう少年の目の前に立っていた。少年の前に立った美女は
「あら?どうしたのかしら今時の子供は挨拶もろくに出来なくなっているのかしら?」→雪女
と言いながら絶えず少年に対し微笑み絶やさなかった。
「こ、こんにちわ」→少年
少年は残っている勇気を出して言った。
「そう、それで良いですよ。それにしてもなんでこんな所に貴方がいるのですか?」→雪女?
「わ、わしは、そ、その」→少年
「はっきり言いなさい。さもないと……本当に凍らせますよ?」→雪女?
「ヒッ!!」→少年
「ウフフ……嘘ですよ?そんなに驚かなくってもしませんから。【この少年のビクビクしている顔がたまりませんわ!!】」→雪女?
雪女?の言葉に本気でビビっている少年に対し雪女?はこの少年のビクビクしている顔がたまらないようである。
「ス、スキー場に帰りたいんじゃ!」
「スキー場?あぁそれならこの先真っ直ぐに行けばスキー場に戻れまー。」→雪女?
「分かったぜよ!!ありがとう!」→少年
雪女?が後ろを振り向いてスキー場の場所を指すと少年は雪女?の言葉が終わる前に一目散に逃げようとした。
「お待ちなさい!!」→雪女?
雪女?が後ろからそう言ったが少年は無我夢中に逃げた。
ただし少年の記憶に残る発言が聞こえた。
「もし貴方がこの事を誰かに言ったら私は必ず貴方の所に行きますからそう思ってください。」→雪女?
少年はその後スキー場を無事に着いた。