儚き雪
真夜中、空から降ってくる。
この暗黒を月の代わりに照らし落ちてゆく。
それは白いのに儚い。
まるで羽のような、白。
電灯の灯かりを反射させ、辺りを照らして落ちる。
しかし落ちたら、消える。
儚く消える。
しかし、全て消えるわけではない。
少しずつ、ほんの少しずつ積もってゆく。
それでもじきに消えていくだろう。
積もってはきえ、積もってはきえ。
そして、消える。
その後にできるのは、水溜りのみ。
雪は白い。
白いけれども、穢れを感じる。
しかし、その穢れを感じさせない儚さがある。
しかし、冬は終わってしまう。
そして春はやってくる。
そして、私はこう言う。
「来年もよろしくね」
っと。