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純白のギャンブラー~王都カジノの少女賭博録~  作者: レブラン
4章

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49話 トレンド・マーケット開戦へ

「開始する」

 

 ダリオさんの声が響くと同時に心臓がドクンと大きく脈打った。

 どの台になにを賭ければいいのか、わからない。まずは様子見?

 一体何をすればいいのか、頭が真っ白になる。戸惑いが混乱が起きた。

 あたし達の戸惑いを嘲笑うかのように、場の空気を切り裂く一言が響いた。


「まずは様子見をするんじゃなく、さっさと賭けていくわよ」


 先人を切ったのはムエルニ。

 彼女が冷静に放った一言のおかげで、意識が保てる。

「だけどどこにいくら賭けるんすか?」と続くようにユエルが言った。


「無難にまずはスロット、ブラックジャック、バカラに200ずつかしら」

「600も使うって大きな賭け方どうしてっすか? まだ始まったばかりっすよ」

「逆よ。あたしたちに注目が集まっているでしょうけど、値動きはまだ少ない。普段から来ている客の多くは、今は台よりも今回のギャンブルが先に注目をしているわけよ。それにこの3台は多めに置かれているの。その分利益率はいいはずよ」

「なら最初っから全額投入したほうがよくないっすか?」

「馬鹿ね。そうしたら余剰資金無くなるじゃない。少し余裕を残さなくちゃいけないでしょ。それにまだ少しぐらいは、他の台に賭けて小銭稼げるだけ稼いだ方いいわけよ。皆いいかしら?」


 あたし達は全員ムエルニに合意するように頷いた。

 資金が1000から400となる。

 現在スロット台▼46、ブラックジャック▲20、バカラ▲18でまだ数値が小さい。


「大きく動いたときに利益確定して資金を増やす。多分今はまだどの台も平行線上なはず」

「そういえば、これ利益どうやって増えていくんすかね?」

「言ってたじゃない、数値を賭けてって」

「けどそれだと1だろうが100だろうが、注目度数字が1増えても同じ1しか増えないし大きい数字を賭けるだけ損なんじゃないっすか?」

「確かにユエル、あなたの言う通りね……」


 ムエルニはゴーレムを掴みすぐさま聞いた。


『あーすまんすまん、そこもしてなかったな。利益率は賭けた投資数値の合計1.1倍が増える仕組み。つまり110投資して“その時点から”注目率が10増加。余剰資金は10じゃなく11儲かるわけだ』

「なるほどね。なら2つのギャンブル台に100ずつ投資したら合計して22となると」

『逆に10減れば初期に賭けた投資額の0.1倍減る。100なら89へ』

「厄介ね」

『そしてあくまでこのギャンブルは100を基準として0.1刻みで前後するから、200なら2倍となり、90投資にしたら0.9倍となるから、余剰資金が100なら100.81と表示される』

「そう、わかったわ」

『健闘を祈ってるよ。ってことで俺は今からこれを皆に知らせなくちゃ』


 ゴーレムは無音になる。


「……となると、余裕があるとしたら200ぐらいか?」

「そうね。ミラン、あなたはどの台が上がると予想する?」

「……おおむねムエルニさんと同意……とポーカーとルーレット」

「確かにポーカーもルーレットは悪くないわね」

「ミニ競馬はどうなの?」

「フェル良い目の付け所ね。確かにミニ競馬も人気だけど、あれは台の設置台数が少ない。試合開始してからゴールまでの間は安定して注目度を得られるでしょうね。たけど、変動を見て少し賭けて稼ぐってのもありかしらね」


 色々考えられているんだ。

 ただ、今のままだとムエルニに頼りきりだ。

 あたしなりに考えて情報提供しなくちゃ。


「ユエル、台の変動とかわからないからムエルニとミランに任せて。あたしたちは全体を見て大きく動いたら知らせよう」

「はいです!」


 まだ序盤の序盤、現状はムエルニの言う通りどこも落ち着き低数値。

 一つずつ確認していこう。

 スロット▼40、ブラックジャック▼18、ポーカー▲15、バカラ▼13、ミニ競馬▲10、ダイス▼10。

 急激な変化はまだないけど、全体的に下がり傾向になっている。資産も全体的に減っているがムエルニもミランも落ち着いている様子。

 だけど、なんでこんなに数が少ないんだろ?

 もっとありそうなのに。


「ムエルニ、なんでこんなに少ないんだろ?」

「確かにポーカーなんて結構種類あるはずなのに」


 あたし達の疑問を察したように、ムエルニはゴーレムを掴んで訪ねた。


「ダリオ、画面の台の数がすくないのだけど、これはどういうことかしら?」

『ああ、数種類あるな。仮にテキサスやセブンしかやらない台としても、一つとしてまとめてるわけ』

「なるほどね。更に分割ってできないのかしら?」

『無理だ。と言うか後回しにした結果こうなったとのことだ』

「そう、わかったわ。と言うことだそうよ」

「ありがとうムエルニ」


 それなら種類は多くても数は少ないなら視覚的にも見えやすい。

 あたしは情報収集に励まないと。

 全体数を映した操作画面にそれぞれの台と数値を腕を組み見比べ続ける。


「……力んでいたら疲れる」

「え?」

「……まだ始まったばかり」

「そうよ。本格的に動くのはもう少しあとだと予想するから、全体見なくてもいいわよ」

「そうですよ。フェル、自分たちはあの3つ意外残りをみましょう」

「わかった」


 あたしはバカラ、ミニ競馬、ダイスの三種類を動かし、わかりやすくした。

 これなら数値が仮に動いても反応できる……と思う。


「……他のチームはどう動く」

「んー、そこが不明かしらね。私たちみたいに大胆にやるっていうのは……まあ思い当たるのは一人たけど、それは置いといて。基本的にいないと思うの」

「……なぜ?」

「だって見てなさい。まだどう動くのがどうなるのかわからないわけだし、仮に賭けてても試しに少数でしょ。まあダイスを使っていたのなら話は別でしょうけど」


 ムエルニが余裕を見せて、安心しきっている。

 ただムエルニ含めて、あたし達にはこの余裕が真実だと思い込んで、まやかしだとは気づかなかった。

 それは時間を意味する球が一つ消滅した時に起こった。

 最初に気づいたのはあたしだった。


「あれ……? 数値が……」


 あたしの言葉に遅れて、ユエル、ムエルニ、ミランが次々に目を剥いた。

 画面の数値が全て一桁台に落ち込んでいる。


「どうして……! どうして、こんなところで!」


 ムエルニは声を荒げた。

 そしてゴーレムから悲惨な宣告が通達された。


『えー、5チーム資金不足により敗退』


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