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純白のギャンブラー~王都カジノの少女賭博録~  作者: レブラン
2章

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19話 最終戦勝者

 あらわになる手札。

 ムエルニは絶句とする。


「まさか本当に公開するなんて……」


 声が震えている。


「しかも手札合計は9!? やっぱりジョーカーあるじゃない」

「あたしは勝つ気はない、このジョーカーはユエルに勝たせるために動くの。不安がらせないで!」


 吹っ切れたのかユエルはあたしの言葉に、曇り空から太陽の光が差し込むようにすっきりした表情を見せる。


「フェル。疑ってごめんなさい。自分、フェルを信じます!」


 止まっていた時間が動き出すように白コインを場に出す。

 ユエルの数字が手札と合わせて12となる。


「……っ! させない!」


 ムエルニさんは同じ白のコインを置いて阻止に図る。

 当然、ユエルも見越して再度白コインを置き、合計値が12になるようにする。


「この……っ! しまったコインがっ!」


 白コインが尽き、他のコインを手に取ろうとする。

 出そうとした瞬間ピタリと手を止めた。

 分かってるんだ……このゲームはコインを多く持っていたほうが、勝利しやすくなることを。

 ただ、それは1対1前提の話。

 あたしとユエルが組んだことで両者コインを合わせると圧倒的な枚数差がつく。どれだけコインを出そうがあたしとユエルのどちらかが同じコインを出せば相殺される。

 さらにはジョーカーという牽制がある。

 実質2対1の圧倒的な不利な状況。

 それをわかってか、次の勝負を持ち込む事を決めたのだろう。



「次……ですの……」


 ムエルニさんは唇を噛み締めながら、あたし達を鬼の形相で睨む。

 

「勝者ユエル・タニア。続きましては5戦目。この対局にてユエル・タニア、ムエルニのどちらかが勝利すれば勝者となります」


 配られるカード。

 あたしとユエルは手札を見合うように表を向ける。

 当然、注意もされずゲームは続行。

 配られるカードのうち、ジョーカーの1枚はユエルの手に渡る。

 そしてもう1枚は――。



 あたし、フェル・ラグンダルトの手に。



「私の……負けです」

「ムエルニ。投了(サレンダー)を確認。残るはフェル・ラグンダルトとユエル・タニア」


 ムエルニさんは敗北を宣言した。

 続行ももちろん可能だったが、まず勝てない点で言うならばコインの数。

 ジョーカーが1枚または2枚ともムエルニの手に渡れば話は違ったかもしれないし、変わらなかったかもしれない。

 なんにせよあたし達の勝ちだ。

 なら、あたしがやることはただ一つ。


「あたしも同じく投了を宣言します」


 あたしも同じようにサレンダーを宣言し、ユエルの一人勝ちとなる。


「フェル……」


 ユエルが驚いた顔をする。


「いいんですか?」

「うん。最初っからそのつもりだったから」


 ユエルには勝ちあがって欲しかったから。

 家族や村の為にお金が必要なんだもんね。

 パチンっと音が鳴ると、途端に湧き上がる歓声が耳に入ってきた。


「まさかの大逆転」「あの幹部を撃破したぞ」「ムエルニがまさかの敗北」「あのユエルってのは何者だ」等々、観客が色々言っているのを耳にする。

 その中で「フェル」と呼ぶ声に顔を向けると、ユエルが嬉しそうな顔でこちらに向けていた。


「ありがとうございます」


 対戦結果はユエル3勝、ムエルニさん2勝、あたし0勝だったけど、これでいい。


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