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純白のギャンブラー~王都カジノの少女賭博録~  作者: レブラン
2章

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17/25

15話 1回戦目素人

 ♠J、♠8、♥2の3枚のカードが手元に並ぶ。

 合計数字は21だから死数字の26までは、あと5……。

 ふと視界になにかが動くのが見えたので、そちらに視線を向けた。


「フェル、フェル。隠さないと隠さないと」


 ユエルが手を上下左右に泳がせ、空を切るように慌てふためいていた。

 あたしは隠すの意味が理解できず首を傾げた。


「カードです。そんな堂々と見ていたら流石に客からカードが丸見えですよ」


 丸見え?

 確かに二人を見るとカードは台の上に伏せ、数字が見えないようにしているが。


「全く、素人丸出しですこと」


 ムエルニさんが上を指さし、あたしは上を見た。

 あたし達が映っている魔法の画面、そこにはあたしの手元、つまりはカードが映りそうになっていた。


「基本自分しか見えないように手をカードに覆うように伏せますの。こうすることで、自分だけ見えるように捲るんですの」


 実演しながらあたしの行動を小馬鹿にするように、ムエルニさんは鼻で笑う。

 魔法で音は聞こえないはずなのに、観客からもクスクスとせせら笑いが聞こえたきがした。

 あたしはムエルニさんがしたように、映らないようにカードを伏せて自分しか見えないように捲る。

 カードの端に書かれていたマークと数字が見えた。


「確かにこうすれば自分だけしかカードが見えない。ありがとう二人とも」


 嫌味な言い方だとは思ったけれど親切に教えてくれた。

 あたしがお礼を言ったら、少し照れたのかそっぽを向いた。


「続行するわね。まずはユエル・タニア。カード排出宣言を」

「します! します! この1枚増やしてくださいです!」


 ユエルの表情はニヤニヤへと変わる。

 あからさまに良い手が来たのがバレバレ。


「次はあたしの番か」


 死数字に刺せないためには4、6が欲しいけど……。

 あまり自信がないや。

 まだ1戦目もあるからか、あたしはパスを宣言。


「私はそうね……これを捨てますの」


 ♦10を捨てた。

 手札を捨てて調整か。

 確かに増やさないなら、あたしも減らして調整したほうが良かったかも。


「全員、カード交換終わりました。次にコインの排出。ユエル・タニア」

「んーパスで!」

「同じくパスで」


 コインを使えば近づけることができるけど……。

 流石に初手で使うのは勿体ない。

 やっぱりカードを増やすか減らすかしておけばよかったかなと、今更ながら後悔する。


「初手なのでここは様子見をしたほうがよさそうですのでパスで」

「全員の順が終わりました。では手札開示、ショーダウン」


 あたし:♠J、♠8、♥2。合計値21。

 ユエル:♥K、♠9、♦3、♦2の合計値27。

 ムエルニ:♥8、♣2の合計値10。


 一番近いのだとユエル1、あたし5、ムエルニさん3となると――。


「初戦、目標値が一番近いユエル・タニアの勝利」

「やった、まずは1ポイントゲットです!」


 ユエルはブイサインをしながら、さながら優勝した如く勝利を喜んだ。


「フェル、自分勝ちましたよ!」

「やったね。おめでとう、ユエル」


 あたしは喜ぶユエルに素直に賞賛を送った。

「ふん」ムエルニが鼻を鳴らす。


「初回は様子見。次からが本番ですの」


 確か皆、慎重だった。

 コインも使わなかったし。


「それにしてもあなた本当に素人ね。リーシャ様に気に入られたというから、少なからず警戒はしていたのだけど」


 ムエルニさんが呆れたように言う。


「カードの隠し方も知らないなんて」

「確かにあたしは知らなかったですが、次からは気を付けますよ。それに次はあたしが勝ちにいきます」


 気持ちを改めて引き締めなくちゃ。

 ふんすと鼻息を荒くした。


「ふふ、こうして互いに闘志を燃やすさながらは見てても面白いわね。では、2回戦目を始めましょうか」


 カードが再びシャッフルされ始めた。


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