[小競戯付/ルーザーファイト]
【壊れてしまった人】
「あぁぁぁぁぁ!!!」
弱者と呼ばれて虐げられて来た社畜,精神は
擦り切れ摩耗し切った末に狂ったのだ。
社会の縮図,ドス黒い悪性が生んだ,理不尽
な社会に対する復讐心が生んだ化け物,その
ナイフを持った暴漢はナイフを振り回した。
「うぐ⁉︎」
偶々通りがかった虎沢道真はその斬りつけを
喰らった,人類発展の理由を考えると簡単な話だ,人は武器に勝てないのだ,本来なら致死量 動脈が斬られたら,出血死またはショック死が妥当であろうか。
だが当時,忍耐力だけは常人を逸していた,バランスを取れないし立ってるのすら一苦労だった,もはや身体に余力を出すことすらできないが
ギリギリ耐えて居た,そこに助けに来た男が居た。
「あぁぁぁ!」
パシ,ナイフに触れる。
「んな⁉︎」
ナイフの刃に触れながら薄皮一枚すら切れずに刃物を指でへし曲げた挙句 金属疲労もなしに縦から引き千切るなんて芸当を,これじゃまるでゴリラじゃないか。
「闇に落ちざるを得ないだろう,情状酌量の余地
すらあるように見える,だがしかし一度事件を
起こしたお前に明るい未来はねぇよ,今すぐ肉体的に死ぬか,社会的,精神的に制裁されて死ぬかだ」
人外,子供の頃から才覚の頭は飛び出して居た,
だが才能とは登れる山の高さ,自身を覆う目が
天にはある,横並び高さ広さが不均等な山々を
卓越した実在の才能をオーラが輪郭を捉えてしまった。
年齢に見合った肉体的成長がそれほどに
ものを語るかと腑に落ちなかった。
「潜在能力の解放?才能開花?は!底の抜けた奴らには死んでも勝てない!それが自然の摂理,
違うか!淘汰もされず自然の弱肉強食に
揉まれてろってか?あぁ!」
人では,人のままでは,武器や肉食獣には勝てないのだ,ならば技術を極めれば良いのだと,そこから道真は,初めに忌むべきあの事件を
キッカケにナイフ特化CQCを編み出した。
「(漫画的ではないのだから,自身が自身を超える
のは基礎鍛錬ただ1つのみ)」
そこから,協力者をネットで募り,長期間のゴムナイフによる実践訓練から編み出された
対処方法,乱雑に振り回して居るナイフを避けて,最適の手首の掴み方,そして掴んだ後に
足を踏むと言う短刀専用近接格闘。
刃渡がペティーナイフ,80mm級から
刃渡が最大のフォールディングナイフ,80cm
超克までの技術が編み出されて居る。
「まだ俺は,強く成る!」
そこからさらに格闘技用CQCを編み出した。
「服を掴まれないようにオイルを事前に付けて
おく,これも必須で髪にも付けておくんだ
掴み合いでやられない為にな」
総合格闘技をモデルとし,様々な格闘技の熟知を
して実践的に行い様々なパターンを想定して,
動くものである,そしてついにして編み出された。
そこからは,バリエーションを増やしていき,
多対一用CQC,集団戦用CQC,さらに段階を
超えたら銃に勝つ為のCQCや猛獣用CQC
も生まれた。
「場所と道具が居る,小麦粉と物が多く狭いが全体が広い部屋である」
だがしかし素人協力の下に行われるほぼ独学の至れる領域には限りがある,その才能に左右されるが基本的に見様見真似の猿真似では30から50%の再現度かそこらが良いほうだろう。
格上との戦闘経験によって限界を超えると
停滞期を乗り越えて限界を超えることが
必要になった。
[まぁ虎沢道真は80%に至る戦闘リズムの模倣が可能と言う即座の適応戦闘なら間違いなく
練習と遜色ない完璧な完成度を誇るが]
独学だけでこの領域だと至り,それから世界有数の軍隊に入団することになった。
「よろしくお願いします!」
だが兵長は見抜いて居た,肝の座り具合が明らかに違う,頭に銃を突きつけられて尚,息一つ早まる事はない,寧ろ突きつけて居る側が疑問と恐怖が混在してしまうほどに。
「(一体どれだけの修羅場を踏み抜いて来たら
これほどの胆力を得るのだろうか)」
そこから,プロサッカー選手式の体幹トレーニングやプロテニス選手式のノールックでの視野を拡張して反応速度を高めるトレーニングなど
様々な最適運動法が組まれた最適の軍人の
体を育成する肉体改造プログラムを受ける。
食事と栄養管理から厳しい訓練により脱落者は
三人に一人生まれるほど,そして強い身体に伴う精神性だ,死を恐れない自分の大事なものを守ることが何より尊んだ孤高の信念と言う国家人的思想の植え付け,そして洗脳による人格改変に
等しい罵詈雑言の嵐とキツイ処罰(鞭打ちの刑と万本ノック連続成功)などそれは厳し過ぎた。
流し切った涙もはや減る液体は血のみ,血淚を
垂れ流しながら嘔吐ではなく吐血しながら
訓練し続た。
そして各種携帯武器運用精度の向上と,ほとんど全てのスタイルの戦闘に対応可能な自身が
生み出した様々なCQCが統合された最も合理的な近接格闘技術,実戦適応型軍隊式CQCを
皆伝まで極めたのだった。
【人外世界】
そいつは相対した瞬間,天候が変わった,弱風から強風に,追い風は向かい風に,雨が降り出して
台風に等しい現象が起きる,落雷が落ちる。
「雨男だの,晴れ女だのと,そう言った次元を
凌駕した演出じゃなぁ!」
「なんだお前」
見向きすらされてない殺意を向けたやつは,雅,その優雅なほどの強さから名付けられた機能美な優れた男の名前だ。
元から鋼鉄の肉体と言えるほど頑強な身体は
銃弾すら弾き真剣すら傷ひとつ着けられない
人体改造により一部が機械化したことにより
非常に強い身体を持って居る。
筋力増強剤の副作用で凶暴化して居ます
常人の20倍の筋肉量,速度,耐久力は5倍に
成りまた薬物に手を出してテーザー銃が
効かない,パンチで5mのクレーターができる,
口内圧力と肺活量だけで炭酸水を簡単に作れるような怪物や。
相対する見向きすらしてないやつは,戦った敵は皆が木っ端微塵になりそこには血溜まり
しか残らないことや血に濡れた足跡か紅の悪魔の異名を持つ。
そして何より実績が凄い,旧西洋連邦の残した煉瓦製の巨大な防壁や弓射兵の塔を爪で引っ掻いでぐしゃぐしゃにしやがるのだから,その指と爪は鍛え上げられて居た。
「誇れよ貴様は充分に強い!」
だが格が違い過ぎた。
「糞が」
バゴーン!一撃で雅を破壊した,やつを
雑魚扱いするほど強いのだ。
「ふぅ」
床に鎮座するや否や虹が出てきた,雨は
上がった。
【CQC】
「久々だよ,連邦所属のエリートか?久々だなぁ本能的にイラつくその感じがよ!」
目の前には道真がいた。
「(妙な違和感,なんだこいつは)」
だがその違和感はすぐに消える。
「玄人級大犯罪者用CQCで貴様をヤル」
首絞め,目突き,鼻潰し,鼓膜破壊,喉潰し,手の触れる距離なら骨折りや関節逆折など,極端に暴力的な鎮圧方法また殺害に特化した近接格闘,3秒以内に人体を潰せる。
そして,あの悪魔に道真が勝利したので
あった。