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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

データ供養所

【プロローグのみ】崩壊した未来世界の異端児【続きは無い】

作者: まい

 プロローグのみです。


 続きはありません。

「さあ、一緒にファイターの練習しやがれですよ?」


「…………何度も言うけど、同年代の()にその口調はダメだからな?」


「でも生佳(いっか)()るんでますよね?」


「それはオレがオレだからであって、他の娘からすれば「なんだコイツ」って悪い目で見られるだけだからな?」


「それは分かりましたが、それでも憧れの(だい)(ばあ)ちゃんの真似は辞めらんねーです」


「うん。 分かってるけどさ」


「ならいーじゃねーかですよ」






 オレには前世の記憶がある。


 もういい歳のオッサン会社員だったオレの記憶。


 生まれてからだいぶ()つし、前世への郷愁(きょうしゅう)とはなんとか折り合いをつけて、今は新しい生を謳歌(おうか)している。


 その前世の記憶では、平凡な人生を歩んでいた。


 その中で低空飛行の長寿スマホゲームアプリを、長年遊んでいた。


 そのゲームはSF世界で、謎の宇宙外の機械生命体“ヴィラン”の攻撃を受けて地球にいられなくなって、各国のセクターとして区分けされた状態で各国それぞれが乗った移民船団で第2の地球を探しながらヴィランと戦い続けてン百年経過……という設定だった。


 船団は未来だけあって、船内は完全に街を再現できている。 しかも人類が地球から逃げる寸前の頃の外観を維持している。

 ……まあコレはゲームの都合上、未来過ぎて価値観が変わっていたりする未来考察を回避するためのものと言う御都合らしいが。


 ヴィランには通常兵器が役に立たず、偶然見つけたヴィラン同士の誤射により壊れた超大型ヴィランを回収・研究して発見された、主に20代までの女性が持つ特殊な因子によって稼働するヴィランに対抗できる兵器を(もち)いて生き長らえている。



 兵器の名前は戦闘機(ファイター)(アーマー)からとってファイアームと呼ぶ。 が、普段は略してアームと呼んでいる。


 アームは上半身と下半身の2分割で構成され、それぞれにオプションパーツを付けられる機構を備え、ついでに手持ちの射撃兵装と格闘兵装で武装するのが今の基本となっている。


 ちなみにアーマーではあるがバリア機構によって装甲は必要とせず、機械部分は推進機構や筋力補正やオプションパーツ以外は半ば装飾みたいになっている。


 そのバリアはなんと、宇宙空間での宇宙服的な機能もあり、アームを身に着けていれば私服のまま宇宙で活動できるんだから未来技術様々(さまさま)だ。


 だがコレでは命が危ない? いや、緊急帰還装置によるワープ等でファイターは母艦たる船に帰還できるように現在はなっており、人命を極力守れる仕様だ。


 安直な名前だが研究が進み、敵主戦力の小型ヴィランなら圧倒できるまでに強くなった。


 なので現在のヴィラン退治は、一種のゴミ掃除バイトやシューティングゲームみたいな感覚でファイターになる者も多い。


 実際、事務所に登録して出動してほぼ危険無くヴィランを倒すだけで、バイトとしては手軽に高額な収入が得られるから。



 が。 が、なのだ。


 これでゲームにはなるまい。



 そう。 ゲームでは何度も波乱が起きる。


 プレイヤーは日本セクターのとある零細ファイター事務所の隊長になり、その事務所で登録したファイター達を指揮して、波乱を乗り越える。


 まあそのシナリオはまだ未完結のまま運営している途中で前世のオレが死んだから、シナリオを全て知っているとは言えないが。


 そのシナリオに、本来ならファイターとして登録可能なのは中学生からなのだが、特例として小学生でファイター登録して活動する娘が現れる。



 それがオレと話している原野(はらの)菜摘(なつみ)だ。


 菜摘の曾祖母(そうそぼ)。 つまり大婆ちゃんは元ファイターで、大婆ちゃんの頃は小学生から登録可能だったファイターに憧れた菜摘が、自身も大婆ちゃんと同じ小学生でファイターになりたいと大婆ちゃんから英才教育を受けて、ゲームの主人公たる隊長のいる事務所で特例的にファイターになる設定。


 で、今はそのファイターとして登録が認められるより数年前。




 …………そう。 オレは前世で遊んでいたスマホゲームアプリの世界に、この菜摘の()()幼馴染――ゲームでは存在が示されてすらいない未設定な存在――として転生した。



「生佳も折角のファイターの因子持ちってんですから、大婆ちゃんに一緒に練習してもらってファイターになりやがれですよ!」


「まあファイター自体は構わないけどさ、大婆ちゃんの練習は地獄すぎてツライんだよ」


「何を言いやがるですか。 今は不可能な小学生ファイターになるには、エース中のエースファイターだった大婆ちゃん位に強くなって、例外を認めさせねーとですよ!」


「そうなんだけどさぁ……」


 オレの容姿は、実は菜摘に似ている。 身長も体重もスタイルもほぼ同じ。


 まあ今は小学生だからそこまで差なんか出ないが、ソレだけでなく将来でも微妙な差しか無いことはほぼ決定している。


 顔つきがオレの方がちょっとだけキツめで、菜摘はまんまるの目で愛嬌たっぷり。 ほぼ双子。 お隣同士で同じ時期にそっくりな娘が生まれたとして、両家は恐ろしく仲が良くて家族ぐるみの付き合い。


 顔つき以外では、菜摘が大婆ちゃんを真似た古い髪型で、オレが今風のショートカット。


 ……ん? なんでほぼ同じが確定してるか言え?


 オレが“前世で妄想してた”からだよ。


 事務所で小学生ひとりぼっちは寂しすぎるから、菜摘の友達がいて一緒にファイターになってたらって。


 その友達が“こう”だったらいつも一緒で寂しくないだろうし、面白いだろうなって。



 まさか、オレがなるとは思わなかったが。



「ところで、生佳はその炭酸ジュースばっか飲んでるですね?」


「これか? このスピットリは良いぞ。 ファイターはコレを飲んで強くなる」


「そーなのですか?」


「ああ。 ファイターはこれを一度に400㍑飲む儀式があるって噂だ」


「そんなに飲めねーですよ!?」


「まあ噂だからな」


 これは事実だ。 このゲームのレベルを上げる経験値アイテムがコレ。 一般的なエナジー飲料って設定のはずなのだが。


 それで最高レア度のファイターをレベル1から未限界突破時のひとまずのMAXまでレベルを上げるのに、コレを400㍑飲ませるのだ。


 だから今のうちからチマチマ飲んで、400㍑一気飲み地獄を回避するんだ。


「だったら飲んでみるですよ」


「おう飲め飲め……って横から盗るな!」


「…………美味ー(うめー)です!」


「そりゃ良かったな」



 ファイター最年少で波乱に巻き込まれる菜摘。 何の因果か転生してきてしまったオレは、その波乱の中で菜摘を守ることに決めた。


 その波乱はまだ数年は先だが、やって来るのは間違いない。


 その時までに、口ではなんと言おうと強くなりたいのは本気だ。

 芋煮会事件とか法令遵守事件とか、チャーハン事件とか。


 なんか珍事ばかり起きる変なスマホゲームアプリが何となく好きで、2年以上続けてます。


 特に推しがいるわけでもないのに、なんか続けちゃう。


 で、その続けちゃうゲームをリスペクトしてチョットだけ失敬してみた。



〜〜〜〜〜〜



蛇足


 主人公は七転(ななころび)生佳(いっか)。 7回もしてないけど転生を名前に使いたいと狙っただけ。

 親は七転をつかって、父が八百生(やおき)で母が細江(ささえ)(支え)と想定。 サラリーマン家庭。



 原野(はらの)菜摘(なつみ)。 自家栽培の野菜を直販する代々農家の娘。

 移民船の中でも畑を作って栽培……できればいいけど、多分未来的野菜工場とかの工場経営者かも。 細かい設定は分からん。



移民船


 地球を捨てた時期は大体2030年代を想定。

 特に日本はその頃には、日本へ迷惑をかける周辺国達が勝手に財政難なり何なりで勝手に自滅し、共倒れし。

 それで国内の一部議員やら何やらから「ジンドーテキージンドーテキー」と自滅した国々の国民の移民受け入れを狂ったように主張するので調べると、そいつらのほとんどが国籍に問題があり大問題となって排除され、国の運営が多少マシになった頃と想定。

 なので地球を捨てる移民船を自国で作れず、国名の付いた移民船団になれなかったと推定。

 つまりこのゲームに日本の周辺国のキャラは出てこない設定。

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