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初恋1

作者: 文彦

ジリジリと輝く太陽、木の電信柱の蜜にセミが喜び、激しく鳴き続ける。

でも今みたいに舗装された道路ではなく、砂利道や土が多い分、照り返しの暑さがなく、どちらかと言えば心地よい暑さ。

小学3年の文人は、今日も元気いっぱい外で遊ぶ。

今日はあと友達、明日はあの友達、遊び仲間がだいたいサイクルして決まってた。

今日の遊び相手は、隣家の一つ年下の従妹。

文人は、ある事を企んでいた。

「文人ー、今日は何して遊ぶー?」従妹の千鶴が言う。

今日は、身体のどっかの部分の頭文字を言うから、それをせーの!で見せ合いっこしよう!

「うん、うん、やるー!」

文人が言う、最初は、「うー!」

「何かな?どこかな?」「せーの!」で、

お互い腕を出して、「正解!」、「やったー!」

じゃー次はー、「あー!」、「何かな、どこかなー?」、千鶴も悩んだあげく、「せーの!」で足を出す。「正解ー!」、じゃ今度はー、「どー!」、「ど?」不思議そうな顔をする千鶴、「せーの」て言うけど分からない。

「じゃーヒント、次の字は、ん」

「ん?」千鶴の顔色が変わった。

まさか、、。

顔を強張らせながら、「次の字は?」、「ず!」

「どんず」。そう津軽弁で「お尻」の事である。

女性の身体に興味を持ち始めた文人の苦肉の企みであった。

千鶴は、やっぱり!みたいな顔をして、まさか幼なじみでずっと仲良く遊んでた文人から、そういう事を言われるとは思ってもみなかった事の驚きとショックと、恥ずかしさで、本人もどんな顔今してるだろうかと、そんな顔をしながら、首を横にブンブン振って断った。

文人は、企みが失敗に終わった事と、断られたショック、我にかえった自己嫌悪で、こちらもどんな顔すればいいのか分からず、ふてくされて寝たふりする事にした。

「眠いから寝る!」

外ではセミが、ざまーみろみたいな感じで、文人を嘲笑ってるかのように鳴いている。

何秒、何分経っただろう、唇に何か当たって目を開けたら、千鶴の顔。

「キスしちゃった」

小さい頃、おじさんみたいな親戚のおばさんに、「可愛いいねー、ブチュウ!」ってやられて以降、人生初めてのキスであった。

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