2. 着物の少女の婚約破棄
切なく、婚約破棄された着物を着た少女。どうハッピーエンド に導くのかー。
私、『琴』。
今は訳あって『琴』になっているの。
「すまないが…琴、婚約を破棄することになった…。」
「それは…葵と…私の…妹と結婚するためですか」
葵は私の異母妹。
気付いたら涙が溢れていた。
「そうだ…本当にすまなかった。けれど、これはお互いの家が決めた事なんだ…。」
「そ、そうですよね…。仕方のない事ですから。恭介さんに悪気がない事ぐらい、分かってます。」
そう言って、苦笑いした。
「恭介さん、ここにいたのですかー?」
可愛げのある、鈴のような声が聞こえてきた。
「葵…。いや、何でもない。行こうか。」
「さようなら。お姉様。行きましょう?恭介さん。」
「あぁ…」
ここで終わらせない。終わらせたら負けだから。
「葵!!」
「なぁに?お姉様。婚約者を奪われてムキになってるのかしら。恭介さん、先に行っててくださいね。」
と言って、葵が走ってこっちに戻ってきた。
「最後に…葵に伝えたくて…。実はね、恭介さん、恋人がいるの。それで両思いなのよ。これだけ言っときたかっただけよ。」
それだけ言って、私は家に戻ろうとした。
「ちょっと待って。お姉様。恋人がいるってどういうこなの?」
「だから、色白美人の恋人がいるってことよ?」
「はぁ?そんなことないわ!だって、恭介さんは…恭介さんは…!」
よし!いつもの子達!
「恭介さん。次はどこに行きたいですか?」
1人の乙女が恭介に話しかける。
「も、もしかして…!あの人が…?」
「そうよ!あの人に葵は勝てるかしら.…ねぇ、ここだけの話、私恭介さんが大っ嫌いなのよ。だから貴方が婚約者になってくれて助かるわ。」
嘘。私と恭介は両思いなのよ。
貴方は私の好きなものを奪う。だから私が嫌いなものは手放すでしょ?
「もう、うんざりした!私は恭介さんと婚約破棄することわ!大っ嫌いな恭介さんと結婚したら?お姉様?」
「そんなっ!せっかく別れられたのにっ!」
「うふふ。お母様とお父様に相談してくるわ。」
妹と別れた後、恭介さんのところまで走って行った。
「恭介さん。私達、結婚できるのですよ!」
「っ!やったな!俺達、ついに…ついに…!」
2人はそれはもう最高の笑顔で抱き合っていたのでした。
今回も勝ち!
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