第二戦
(まずは...)と机に向かい紙に今の状況を書き出してみることのした。
ここは前世でプレイしてた乙女ゲーの世界線で私は悪役令嬢のエリー=カトレーヌ
...これだけで詰みじゃね?と思うけれど頭を振ってどうにか意識を戻す。この国はアルフレッド国。この世界で一番機能や制度が発達している国だ。アルフレッド国が中心に置き周りに4つの国がある。
私の婚約者であり(のちに婚約破棄されるけど)アルフレッド国の第一王子であるビクトリー=アルフレッドがヒロインと共に全ての国を制覇した時、一番最後に現れたエリーがヒロイン暗殺の罪で殺される死亡エンドが私にとって一番最悪な結果だ。どうすればこの死亡エンドを回避できるだろう。もちろん攻略キャラたちに関わらないことが一番だろう。しかし、エリーは3歳の時にすでにビクトリーと婚約している。よって15歳の学園での婚約破棄イベントは不可避っ! なんでだよっ!なんでそんな早くに婚約しているんだよ!と文句を言っても現実は変わらない。仕方がないのだろう カトレーヌ家は国でも一番か二番目かの公爵家だ。ビクトリーとの婚約はある意味必然だったのだ。ちなみにこの乙女ゲーはRPG要素が含まれている。ステータスやスキル、魔法やらが使える。だから攻略キャラたちと一緒に世界制覇を目指すのがこのゲームの醍醐味であるが。世界制覇した後 攻略キャラと結婚して平和に終わる。と表向きではなっているがコンプした後、裏モードを選択すると逆ハー選択ができヒロイン自身が世界制覇した者としてストーリーが始まる。ぶっちゃけ私は興味がなくてそこらへんは遊んでないからあまり詳しくないのだが。(そういえば乙女ゲーやってる時にずっと呆れられてたな)
エリーの前世はギリシャ神話に登場しオリュンポス十二神の一人に数えられてる狩猟と純潔を司る女神アルテミス
全知全能の神ゼウスと女神レトの子供として双子の光明の神アポロンと共に誕生した。人々に罰を与えることもあったが出産を見守ることから守護神としての一面も持つ。
争いの世から数千年たち戦争がなくなったこともあり、アルテミスは暇をもてなしていた。そこに日本でたまたま流行っていた乙女ゲーが彼女の手に渡ってしまったことから歯車が狂い始めた。アルテミスは異母姉妹である処女神アテナに憧れを持っていたことから自身も処女の誓いを立て、男嫌いと伝えられていたが別にとても嫌いというわけではなかった。特別好きというわけでもないが特別嫌いというわけでもない。しかし、男嫌いという噂が出回ってしまい男が全く寄り付かなくなってしまった。正直彼女は男に飢えていた。そこに乙女ゲー。アルテミスはまんまと乙女ゲーにはまってしまった。攻略キャラ全部をコンプしてしまうほどのハマり具合である。ゼウスは散々注意したが全く聞く耳を持たず。思春期の女子高生と父みたいな関係になってしまった。神としての役目も疎かになってきた頃、ついにゼウスが腹を立てこの世界に転生させられた。しかも悪役令嬢としてだ。
エリーはここで気がついた。これ...主に私が悪いのでは と。
(いや確かに私が悪いけれでも幾ら何でも転生されることのほどではなくないっ?!)
神が罰せられることも珍しくはない。いや、逆に人間よりもひどいと思う。普通に死ぬような罰もたくさんあるのだから。アルテミスもその一人だ。多分女神アルテミスはもういない。神々の世界では死んだことになっているだろう。
このことに関してはもうどうにもならないがゼウスにあったら一回殴りたい。それでこのムカムカが治るだろう。
ひとまず死亡エンドを回避するためにどうすればいいか考える。婚約破棄イベントまであと10年。その間に私が出来る事といえば。
翌日、私はお父様に剣の稽古をつけてもらえるように頼みに行く途中だ。一晩考えた結果まず力をつけることが必要だと思ったのだ。権力的なあれも必要だが5歳という年齢では難しいだろう。数年間は物理的な力をつけれるようにすることが最善だと考えた。お父様の部屋につきノックする。
「お父様、エリーです。お話したいことがあるのですが。」
「エリーか。今開けるから待っていろ。」
ドアが開き中に入る。モーガの机の上には書類が山盛りになっている。それなりに偉い立場にいるカトレーヌ家は何気に仕事が多いのだ。
「それでエリー、一体話とはなんだ?」
「はい、お父様。私に剣の稽古をつけて欲しいのです。」
...あれ?お父様が固まってしまった。そんな変なことを言ったつもりはないのだけれども。
前世の部分はギリシャ神話の一部を参考にしましたがあくまでフィクションなので!アルテミスってキレると超絶恐ろしいらしいです。私...祟られないといいなぁ。 実際のアルテミス様ってどんな性格をしているのか知りたいような知りたくないような。
一戦目でも書きましたが素人が書いた文章なのでおかしいところなどがあれば遠慮せずに報告してくれればなと思います。