表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

2

そしてケンカはまだ続いていた。


「これは俺がやるっつってんだろ!」


そういって、ドルが手を出そうとしたところで、


「はーい、ギルドでのケンカはおやめ下さ~い。」


手を叩く音と同時に男の声がした。


「誰だテメェ?」

「えっと…はい…」


ドルはケンカ腰で、シエラは落ち込み気味で言った。


「ちょ、シエラさんそんな落ち込まないでくださいよ~。あ、私ギルドのものです~。名前はカイと言います~。」


そうカイと名乗った男は言った。


「カイっていったか?語尾を伸ばすな、うざい。」


ドルはキレ気味で言った。


「わかりましたぁ。」

「そういう問題じゃねえよ!」

「えぇ?違うのですかぁ?語尾を伸ばすなって言われたから変えたのにぃ。」

「十分伸びてんだよ!」


また喧嘩が始まった。

かと思いきや、


「まあまあ、そう怒らないで下さいよぉ。僕ケンカするために入った訳でないですよぉ。」

「怒んなっつうんだったら、語尾伸ばすな!」

「そんなことより、そのクエストを二人で受けたらどうですぅ?」


「い!…や…です…」

「はぁ?嫌に決まってんだろ。」


二人同時に言った。


「えぇ、そんな二人とも即答で断らなくてもいいじゃないですかぁ。それにこの討伐依頼は二人で行った方がいいですよぉ。」

「なんでですか…?」

そう聞いたのは珍しくもシエラだった。



「だって今回のドラゴン、今までのと比べ物にならないくらい強いらしいですからねぇ。」

「あ?どれも変わんねーだろ。」

「いやいやいや、そうとも分かりませんよぉ。」

(根拠もねぇのに『分かりませんよぉ』とかまじうぜぇ。蹴り飛ばしたろうか?)


ドルはそう考えながら無意識にカイに蹴りを入れていた。


バシッ


カイが蹴りを受け止めた音がギルド館内に響き渡った。

そしてシエラはドルに対してこう思った。

(こいつ馬鹿だ。)


「あ、わりぃ。」

「もう、痛いですねぇ。そしてその謝罪ほんとに悪いと持ってないでしょぉ。」

「痛てぇっつう割には痛がってるようには見えねぇけどな。」


本当にカイは痛がる素振りは見せずに笑っている。


「ひどいですねぇ。ところでドルさん冒険者契約の契約内容ちゃんと読みましたぁ?」

「あ?なんのことだ?」


答えたのはシエラだった。自信はかなりなさそうだったが。


「ギ……ギルド職員に暴力を加えた場合3ヶ月間の活動休止……って書いてあった気がす……る……。」

「正解ですぅ、シエラさん。そして、加えて冒険者ランクを1つ落ちますぅ。ですので、ドルさんの場合ランクがAに落ちます。ですが今回は特別にこのクエストを2人で受けてきてくれたらチャラにしますぅ。」

「ま、待ってくださ……い!そ、それは、ぼ……私への罰ゲームとも同じです!」

「俺だってお断りだ。それならランク1つ落とす方がマシだ。」


2人とも余程組むのが嫌らしい。


「なら、言い方を変えましょうかぁ。このクエストに二人で行け。」


いきなりカイの顔から笑顔が消えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ