表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/136

78 私たちのしたいことは?

さて、あの日適当に返事をして以来、非常に厄介なことになっている。

つまるところ、風評被害が酷くなったのだ。



「令嬢が少し突っかかっただけで、泣かせるほど怒った」


「生徒になれなれしい愛称で呼びかけた」



等々、等々………なんだかそれっぽいことを言われ、ついには私の先生としての資質に関わるとまで言われた。


いやぁ………世の中、流されちゃ駄目だね。レミさんとしては、庇ってくれたつもりなのかもしれないけど。


そんなわけで今日、私は学園長に呼ばれた。



「……君に悪気が無かったことはわかってるよ、むろん」


「はい」


「けど、母国のように振る舞うと、君も困ることがあるんだよ?」



んん?



「この北の果てには、お父上の名前も響きが悪い。人手だって足りてるし、君のようないいところのご令嬢(子供)が教える必要は無いんだ」



お父様の、名前?



「いずれ、王妃になるんだろう? なら、わざわざ別の国へ来なくても、自国のために尽くせば良い」



………聖女でもあるまいし。


完全なる幻聴だろうが、そう聞こえた。

そう。私は東の国の貴族だ。教師という身分だって一時的なものに過ぎなくて、この人からすれば令嬢のままごとのようなものだろう。言ってることは、正論だ。


私からしたってそうだ。

教師になったのは、人脈作りのため。勉強すら、好きでも何でもない。


本当、私も母国もふざけてる。

私たちのしたいことは、一体なんだ?


そうとすら思っていたのに、まともな脳の側面はそう考えているのに、私は今、ふつふつとした怒りに染まっていた。



「大人しくしててくれれば良い。そうすればきちんと、親元に送ってあげる………」


「黙れ」



気付いたら、声を荒げていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ