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76 噂をすれば


さてここまで、数々の嫌がらせを紹介してきたわけですが。

そろそろラストフィナーレということでしょうかね、私はただいま裏庭で二十人くらいのご令嬢に囲まれています。


んー、私はもうすぐ終業時刻なんだけどなー。帰りたいんだけどなー。

何が逆鱗に触れたのか、みんな鬼のような顔をしている。



「ルラーナ先生。先生は随分と、のんびりとしたお方のようですわね」


「本当。部屋に閉じ込められたのに歌を歌っているなんて、上品で、わたくしたちも見習いたいですわ」



発言とは裏腹に、かなりお怒りのご様子だ。

なーに、泣いてほしかったの私に?



「ほう、よくご存知で。恥ずかしい、私の歌はあなたたちにまで聞こえてしまっていたのですか?」



ニコニコと返してみた。

ちなみに、”えー、聞こえるくらいの場所にいたのに助けてくれなかったのー?”みたいな意味だ。


再三にわたるが、あの閉じ込められた部屋は人通りが乏しい。歴史書に飽きて歌っている声なんか聞こえるはずはないので、まさか昼間から幽霊が出た訳でもあるまいし、これだけ人がいれば普通は様子を窺いにくるだろう。



「まあいやだ。人づてに聞いただけですわ。災難でしたわね」



ちっ。かわされたか。

……ん? 人づてということは………。



「レミさんに聞いたのですか?」



意外。あの大人しそうな少女と、対極にいるようなこのご令嬢たちがつるんでいるという設定でくるとは。


そう思ってききかえしたのだが、ご令嬢たちは一斉に目を吊り上げた。



「「「おまえがサラン様の名を呼ぶな!!」」」



おー怖。これまた一斉に怒鳴られてしまった。

あれ? サランってどっかで聞いた………



「あら、何をされているのですか?」



噂をすれば影が差す……とばかりに現れたのは……レミさんだった。

あれ?これは良いの?悪いの?


というか……何か、怒ってない?

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