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63 あれれ?


「サンナイトスノーは、自国の現象を奇跡と感じました。そしてそこにちょうどよく現れたのが………聖女です」


「……聖女?」



首をかしげる生徒たち。

まぁこれも確かに、今じゃ聞かない言葉だ。



「本来は奇跡を起こせるとか、神の使い……などという意味のある言葉ですが、この国の聖女は看護師やら先生やらをしていた女性を指してます。ちなみに男性で同じような仕事をしていた方は、神官というようですね」


「へー……」


「じゃあ、実際は無力な存在なんですか?」


「はい。まっっったくの無力です」



にこりと笑うと、何かを感じたのか、生徒たちはすっ、と後ろに下がったような気がした。


……おかしいなー、ここの生徒たちは真面目で熱心な子が多いのになー。



「当時貧困で苦しんでいた人々を、神官・聖女たちの率いる教会たちがボランティアとして救った。たかがそれだけのことなのに、何故だかサンナイトスノーの上層部はそれを神による奇跡と勘違いしたのです」


「………たかがそれだけのこと、って……」


「………先生、その後はどうなったんですか?」


「地獄絵図です」



ひっ、とどこかから声が上がったような気がするが、まぁ置いておいて。

私はごく普通に授業を続ける。


……あー、思い出しても腹が立つなーっ!!


教会によって元気になった人々をあろうことか兵士にしたサンナイトスノーは、表面では神の力だ何だと言いながら、周辺国を片っ端から攻撃した。

いくらあのとき飢饉や天災で世界中がボロボロだったからって、何もあそこまで………教会だって一枚噛んでいたみたいだし……あーろくでもない。



「そしてここで鍵となるのが、『伝説の聖女』。ご存知ですね?」


「はい」


「絵本で読みました」


「ええ、ご存知この国の王族の先祖です」


「「「えっ」」」



あれ、知りませんでした?

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