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60 この場所、知ってる。


今日は待ちに待った校外学習。

行くのが原っぱであるため、生徒たちは感覚的にはピクニックに行くような気分なのかもしれない。


ちなみにあの二人は普通にクラスメイトとグループを組んだ。

なんだかんだ言って、あの二人はかなり人気があるのだ。




「先生は、こちらの場所にお越しになったことはあるのですか?」


「いいえ、………っ!?」



無い、といいかけてふと気付く。


手入れされた草木に、整った道。

あのときの面影はないけれど。


………ここは、()に来た場所だ。



「………でも、懐かしいような場所ですね」


「確かに。きっと良い空気や自然が、そう感じさせるのでしょうね」



女生徒はなんでもないことのように笑う。

いや確かに、そう感じるのは自然なことだけど。


ぼうっと彼女を見つめて、ふと気付く。


………もしかしたら彼女も、昔ここを知っていたのかもしれない。けれどもきっと、彼女はもう忘れることができたのだ、と。


けれど心のどこかが知っていて、ぼんやりとした記憶だけが、流れ続けているのだろう。


奇妙な気分になりながら、散策を続ける。



それにしても、このような浄化された場所は、私には毒かもしれない。

ここにいると………嫌な思い出でも思い出しそうだ。

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