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59 ……少し怖いよ?
「ちょーっとまったぁ!!」
「……どうしました、カペラさん?」
あぁあ、また長くなりそうだなぁ……。
そんな悪い予感を無視し、できるだけ笑って聞き返す。
「そんなこと言って、私を仲間外れにする魂胆なんでしょ! 知ってるんだから!」
「…………はぁ」
「でもね、そんなときはカッコよく殿下が助けて………くれない!! そうだ、担任がアルルベットに変わってるから、殿下は二年生の担当なんだった! えっじゃあ、私がクラスで苛められたときに誰を頼ればいいの!?」
「あのー………?」
よくわからないことをブツブツと呟く彼女は……少し怖い。
なんか不穏なことを言っていたけど、いじめられて……いるわけないな。
彼女だったら、苛められたらすぐ分かりそうだ。
「………とにかく私は悪には屈しない! だからそんな嫌がらせも耐えてみせる!!」
「そ、そうですか………」
とりあえず私は何をする気もないので、頑張って下さいとしか言えない。
……そもそも何故彼女はあんなふうに思っているんだろう?