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06 扱いが、雑です!

というわけで、私は今王子殿下との顔合わせのためお城に来ている。


…お父様、私が断らないってわかって話を進めてたのかな。


…お父様、恐るべし。




コンコン


ノックが広い部屋に響く。この部屋は庭が付いていて明るい印象がある。

客室だけで部屋が何十部屋あるのだから、本当にお城って広いよね。


「どうぞ」


お父様が答える。


「失礼する」


カチャリと音がして立派なこの部屋の扉が開き、お父様と同じくらいの年の男性と私と同じくらいの男の子が入っていて来る。


…あれはもしや、こ、国王様!?


私は急いで立ち上がり、淑女の礼をしようとする。


「ああ、よい。固くならなくても。ここは私的な場だ」


「そうそう。久しぶりですねぇ国王。」


「そうだな、1ヶ月くらいか?立て込んでいたからな。」


そのまま国王様とお父様は仲良く話し始めた。

流石公爵家。国王様とも気安く話せるのね。




何でも、お話を聞いていると、お父様同士、お母様同士が昔からのお友達なのだそうだ。


なるほど、それでお母様はお城に着いた途端に王妃様に連れていかれたのね。

ぼんやりと二人の話を聞いていると、しばらくして国王様が切り出した。


「おっと、つい大人同士で話し込んでしまったな。子供たちの顔合わせなのに。」


「そうですね、うっかり忘れてました。」


お父様、ここに来た本題はそれですよ。


「よし、じゃあ二人で庭でも見てきたらどうだ?」


「わかりました、父上」


ええっ!まだ、私たち、一言も話してないんですけど!

扱いが、雑すぎやしませんかね!?


そして、なんで殿下も普通にしたがうの!?

私はそう思ったけれど、王子殿下が立ち上がったから私も仕方なくエスコートされて庭に出る。


…殿下は、ひょっとして、大人の長い話にあきたとか?


…まさか一国の王子様がそんなわけないよね?




王子殿下の顔を見て、ふとそんな考えがよぎったのだった。

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