43 …大丈夫かな?
「ども、と申しますと?」
「はい、実は私と同じ考えの者も多数おりまして」
侯爵の話によると、今まで政治は国王派の人が大多数だったため、特に問題は無く進んでいたらしい。
ところが、今回のことで国王の信頼が揺るぎ、新しい派閥が出来た。
「それが、王子派でございます」
「なるほど」
「王子派は、若い年齢の者で成り立っています。現在はバラバラに動いてますが、皆、真実を探る為に動いております」
「侯爵はそれを纏めたいんですね?」
「そうです」
取り敢えず、話は理解できた。
「…しかし、大きなお話ですから。私には判断しかねます」
「そこをなんとか。……公爵にもお話したのですが…」
「動く気配はないと?」
「ええ」
お父様は立場もあるし、そう簡単に動けない。
でも、私のしてることも把握してるだろうし……。
「分かりました。協力しましょう」
「!! ありがとうございます!」
侯爵は飛び上がって喜んだ。
「派閥は、正確にはどれくらいの大きさなのですか?」
「王子殿下と、貴女と、侯爵家のほかに、伯爵家や子爵家、男爵家が合わせて二十家くらいです。詳しい資料は後でお渡しします」
「お願い致します」
こうして私は王子派に入った。
……大丈夫かな?