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閑話 最っ悪!!

ユウラム視点

はあ、疲れた。

学会は、変わり者が集まる場でもあるので疲れる。


でも、有意義ではあった。僕はもともと勉強が好きだったので、趣味を分かち合える人と交流するのは、楽しい。


あの人たちは、自分に没頭できる人たちだ。

そう、他のことには目もくれず……。



「げ」


何処かから、まるで潰れたカエルでも踏んづけたかのような声が聞こえた。

声の聞こえた方を見ると…


「……」


僕はきっと今、閻魔大王でも目を逸らしてしまうくらいの顔つきをしているだろう。


気分は、十日徹夜で仕事した朝に、狂乱してフルマラソンに出たあと、帰ってきたら仕事のデータが全て消えてたことを知った文官くらいには悪い。



要するに…


「最っ悪!! 何であんた、ここにいるのよ!!」

「そっくりそのまま返します。」


彼女に会うくらいなら、むしろ十日や二十日徹夜してたほうがマシかもしれない。

僕はそう思うほどに彼女が嫌いだ。


それは、向こうも同じ。

それは、これまでの彼女との思い出が関係している。


僕と彼女が初めて会ったときは、僕は学園で教師を始めて間もない頃だった。


休み時間、話し掛けてきた彼女の相手をしたのだが…。


馬が、合わない。

驚くほど、合わない。


そう思ったのは彼女も同じだったようで、


『ああ、もう、この人のルート前から苦手だったから、攻略サイト無しじゃわからないわ!』とか、


『ただでさえストーリーが複雑なのに、こいつも何故か教師になってるわ、出てくるのが一年も早いわもう最悪!私の手には負えないわ!』


などと、よくわからないことを呟いていた。


結果、今では思い出すのも馬鹿らしいことで言い合いに発展したのだ。

…一応、同じことが起こらないようにそれとなく避けてはいたのだが…。


何故か割と頻繁に鉢合わせた。

そしてそのたびに言い合いをしたり…。


それを繰り返すことによって、僕たちは自他共に認める犬猿の仲となったわけだ。

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