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20 精一杯、頑張ります
何だかんだ言ってるうちに学園の入学式が来てしまった…。
お父様はたまにあるケースだと言っていた筈なのに、調べて見たら先生として生徒位の年齢の子供が入学(?)するのは数十年ぶりらしかった。
お父様の"たまに"は一体何年なんだ…。
唯一の救いは王子殿下も一緒に先生になることだ。
道連れがいるのは心強い。
…殿下か。そういえばあのウン年前のパーティーの後、妙に避けられているような気がするんだよね。
コンコン
「失礼します。お嬢様、お支度は整いましたか。」
「ええ、今教科書を鞄に詰め終わったわ。」
本当はこういう仕事もメイドさんにやらせるものなのだろうけど、私は自分で済ませるほうが好きだ。
「では、お持ちします。」
「ありがとう」
表玄関に行くと、お父様とお母様、それにメイドさんや料理人など、この家の人全てが揃っていた。
「アルルちゃん、しっかりね!最初が肝心よ!」
「アルル、頑張ってね。」
「アルル様なら、良い先生になれます!」
「また、倒れないでくださいよー。」
みんなの笑い声が響いた。
…普通のお貴族様の家は、娘が仕事に行く時、玄関まで総出で見送ったりするのだろうか。
つくづく、この家は私に甘くて優しい。
「ありがとう、ございます。お父様、お母様、皆さん。精一杯、頑張ります。」
私は照れくさいながらもお礼を言って、馬車へ乗り込んだ。




