閑話 現状把握
第三者視点
今回、アルルが倒れたことは、アルルが思うよりも大きな騒ぎになっていた。
というのも、パーティーの直後に倒れた為、パーティーに何か倒れる直接的な
理由があったのではないかと考えられたのだ。
例えば、飲食物への毒物の混入だとか。
国全体がほのぼのしていても、長年続いている国なので、その辺りは抜け目ない。
何せ、パーティーに毒物が絡んでいたともなれば、パーティーに出た人の数だけ大騒ぎになるのだから。
それに、次期王妃が倒れたともなれば、それだけで大事件なのだ。
一時、国中に緊張が走った。
しかし、アルルに下された診断は疲労だった。
これによって、緊張はいくらか緩和された。
だが、パーティーの直後に倒れたことで別の疑惑が現れた。
曰く、アルルは病弱なのではと。
曰く、アルルは王妃として相応しくないのではと。
勿論、公爵家は全面的に否定した。
そんな事実はないと。
しかし人の口に戸は建てられず、一部の貴族にアルルが王妃になることに不満を覚える者が現れた。
あくまで一部だが。
また、アルルに近い人間は、アルルが自ら体調不良を訴えなかったことに疑問を感じていた。
この、人々の微妙な心のズレはアルルが聖女だったから起きたのか。
また、聖女ではなくても起きたのか。
少なくとも、アルルが前世に影響されて行動した結果だったとは言えるだろう…。




