表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/136

17 変な、感じ。

もとの時間軸に戻ります。

意識が冴えていく感覚がする。


ああ、今のは夢だったのか…。

ぼんやりとする目を開ける。


「…?」


目を開けると、天蓋が見えた。


…ここは、どこ?

横になっていたらしい。座ろうとすると、頭がズキリと痛んだ。


「…っ!」


「お嬢様!目が覚めましたか!」


側にいたらしいメイドさんが飛んでくる。


…ああ、ここは。


「大丈夫ですか、お嬢様!」


「どうしたの、そんなに慌てて」


このメイドさんも私が赤ん坊の頃から見てくれている娘だ。


名前は、カナ。

普段は落ち着いててしっかりしているのに。


「どうしたもこうしたもありません‼お嬢様はもう一週間も眠られていたのですよ!?」


「…一週間!?」


「そうです!パーティーから帰られた後、倒れるように眠られて、一時はお熱も四十度ほどにまで上がったのです!」


「…あらまあ」


確かに長い間夢を見ていた感覚だったけど、そんなに時間が経っていたとは。


…何でそんなに熱が上がったんだろうなぁ。

辛いこともあったけど、私にとっては良い思い出なのに。


「何で、そんなに呑気なんですか!?私、し、死んだりしてしまうんじゃあないかと、こ、怖くて…」


「大丈夫、人はそんなに…簡単に死ねないわよ」


「そんな問題じゃありません!」


カナは私にすがっておいおいと泣いた。


…さっきまで天涯孤独だった頃の夢を見ていたものだから、何か、変な感じね。




そのうち、カナの声を聞いた他のメイドさんも集まって来て、泣き出し、私は落ち着かない。


これがきっかけで屋敷じゅう騒がしくなり、お父様とお母様までやって来た。


…心配を掛けてしまったなぁ。


そう思うことも馴れなくて、思わず苦笑してしまった。


…ごめんね。


そう、心の中で呟いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ