表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/136

11 何故?


「お待たせいたしました、殿下」


「ああ、来たか…」


私は支度を終わらせた後、急いで王子殿下のいる客室に向かった。

待たせた以上は、と思って一応謝ったけれど…。


何故か殿下は私を一目見て固まった。


「化けるもんだな…」


「?何か言いましたか?」


「…ああ、いや…お前、顔合わせの時も王妃教育に来た時も、化粧してなかったのか?」


「そういえばそうですね。まだ子供ですし、必要性を感じなかったので。

今回も本当はしたくなかったんですけど、メイドに懇願されたので」


私は、お化粧って面倒だし、好きじゃないんだけど、メイドさんたちにとって、パーティーに向けて着飾ったのに化粧をしないことはあり得ないらしい。


化粧担当のメイドさんの必死の懇願を思い出して、思わず苦笑してしまった。


「…」


「殿下、黙りこくるなんて、らしくないですよ。それに、女が着飾って来たら、一も二もなく褒めるものです」


「…そうだな。ああ、…綺麗だぞ…。」


「ありがとうございます」


殿下がしっかりと褒めてくれたので、私もにっこりと笑ってお礼を言った。

すると、殿下はまた少し固まった。


…心なしかその顔は落胆しているようにも見えた。


何故だろう?


「どうしたんですか、殿下?今日は少し変ですよ?」


「…気のせいだろう。さあ、パーティーに遅れる。急ごう。」


「…?…そうですね。エスコート、お願いします。」


「任せろ」



頼もしげにそう言った殿下はもう普段通りだった。

だから、私は気にせず殿下と共にパーティーに向かった。







思えば、これはあの長い苦しみの予兆だったのかもしれない…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ